• 唾液の重要性

    投稿者:clover

    こんにちは!歯科医師の市川です。

    ここ最近、何人かの患者様から

    口の乾燥が気になる、唾液があまり出なくなった 🙁

    などのお悩みの相談を受けました。

    そもそも唾液とは何なのか?何のためにあるのか?

    今回は唾液についてお話していこうと思います。

    口の乾燥 唾液が出づらい 

    ☆唾液とは

    唾液は、唾液腺という唾液をつくる組織から口の中に分泌される分泌液であり、
    消化管で最初に分泌される消化液でもあります。
    唾液の99%は水分でできています。

    成人の1日の唾液分泌量は約1.0~1.5ℓといわれていますが、
    体温、血圧、体液量や性差、季節などに影響するため必ずしも一定ではありません。

    また、唾液の分泌は自律神経によって調節されています。

     

    ☆役割

    唾液は以下のような様々な役割をしています。

    ① 消化作用
    唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれており、食べ物の消化を促します。

    ② 円滑作用
    食べ物を湿潤して食塊の形成を補助し、嚥下がスムーズに行われるようにしています。
    また、会話時の舌や唇の動きも円滑にしています。

    ③ 抗菌・殺菌作用
    唾液には抗菌物質が含まれており、細菌やウイルスから身を守っています。

    ④ 緩衝作用
    酸またはアルカリを中和する働きがあります。

    ⑤ 抗脱灰作用
    緩衝作用の働きにより、細菌が産生する酸を中和して
    歯の脱灰(歯の成分が溶け出すこと)から防いでいます。

    ⑥ 保護作用
    唾液にはムチンと呼ばれるたんぱく質が含まれており、
    粘膜に付着する性質があります。
    これにより粘膜を乾燥から防いでいます。

    ⑦ 味覚発現作用
    食べ物の成分を溶解し、味蕾(食べ物の味を感じる器官)の機能をたすけています。

    ⑧ 洗浄作用
    歯や粘膜に付着した食べかすを洗浄します。

    ⑨ 排泄作用
    体内に取り込まれた有害物質(薬物、化学物質など)を唾液中に排泄させ、血中濃度を下げます。

    ⑩ 水分平衡作用
    口内の水分量調節する働きがあります。

     

    ☆唾液による影響

    上記のように唾液はたくさんの役割を担っており、
    歯や口の粘膜の健康を維持するのにとても重要です。

    その唾液の量が減少してしまうと、

    ・虫歯や歯周病のリスクが上がる
    ・口腔内が乾燥する
    ・口臭
    ・食べ物が飲み込みづらくなる
    ・味を感じづらくなる
    ・しゃべりづらくなる

    などといったことが引き起こされます。
    唾液分泌の低下の原因には、

    ・加齢
    ・ストレス
    ・糖尿病、シェーグレン症候群などの疾患
    ・薬の副作用
    ・放射線障害
    ・腫瘍や外傷による唾液腺や神経への障害

    などが知られています。

     

    ☆唾液分泌を促す方法

    唾液分泌を促す方法の一つとして、
    「唾液腺マッサージ」というものがあります。
    全唾液の90%以上は、
    三大唾液腺である耳下腺、顎下腺、舌下線でつくられています。

    その三か所をマッサージして刺激を与えることにより効果が出てきます。
    耳下腺 顎下腺 舌下線
    ・耳下腺マッサージ
    耳下腺は耳の前下方(上の奥歯のあたり)にあります。
    人差し指、中指で円を描くように軽く10回マッサージします。

    ・顎下腺マッサージ
    顎下腺は下顎の骨の内側、耳の下あたりにあります。
    親指で前の方(顎の先の方向)に向かって軽く押しながら10回マッサージします。

    ・舌下線マッサージ
    舌下線は下顎の先端の内側(舌の付け根)にあります。
    親指で舌の付け根を軽く押しながら10回マッサージします。

     

    いかがだったでしょうか。
    唾液の重要性について知るきっかけになれば嬉しいです。
    唾液が出づらい、口の中が乾くといった症状をお持ちの方は、
    先程ご紹介した唾液腺マッサージを試してみてください!

    他にもわからないことがあれば、気軽にご相談ください!
    ご予約は24時間受付のWEB予約をぜひご利用下さい 😀

    〈参考文献〉・基礎歯科生理学 第5版 医歯薬出版株式会社・老年歯科医学 医歯薬出版株式会社・摂食・嚥下リハビリテーション学 医歯薬出版株式会社

  • 歯科医院での健康な歯の維持方法

    投稿者:clover

     こんにちは!歯科医師の内田です 😀

    今回は歯科医院での健康な歯の維持方法についてお話しします。
    歯は一生ものですので、しっかりとケアをしていきましょう。
    歯磨き 歯間清掃 綺麗な歯

     1. 正しい歯磨きの方法

    歯磨きは朝晩の食後に行いましょう。
    歯ブラシを45度の角度で歯と歯茎の境目に当て、優しく磨きます。
    歯ブラシの毛先を歯と歯茎の間に入れて、歯垢や食べかすを取り除きましょう。
    歯ブラシの交換は3ヶ月に1回が目安です。

     

    2. 正しい歯間清掃の方法

    歯間には歯ブラシでは届かない歯垢や食べかすが溜まりやすいです。
    歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯と歯の間をきれいにしましょう。
    歯間清掃は1日1回行うことがおすすめです。

     

    3. 正しい食事の選択

    歯を健康に保つためには、食事にも気を配りましょう。
    砂糖や酸性の食べ物は歯を傷つける原因となりますので、摂取量を控えるようにしましょう。
    また、カルシウムやビタミンDを含む食品を積極的に摂取することで、
    歯の健康をサポートすることができます。

     

    4. 歯科医院での定期検診の重要性

    定期的な歯科検診は、歯の健康を維持するために欠かせません。
    歯科医院では、歯のクリーニングや虫歯の早期発見、歯周病の予防などを行ってくれます。
    半年に1回の検診を受けることをおすすめします。

     

     

    以上が、歯科医院での健康な歯の維持方法のポイントです。
    日常生活でのケアと定期的な歯科検診を組み合わせることで、
    一生を通じて健康な歯を保つことができます。

    ぜひ、これらのポイントを実践して、美しい笑顔を保ちましょう!

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  • 睡眠時無呼吸症候群について

    投稿者:clover

    こんにちは。
    登戸グリーン歯科・矯正歯科クリニックの津野田です 😀

    本日は睡眠時無呼吸症候群にについてお話しします。

     

    どんな症状があるか

    突然ですが、皆さんはこんな症状が出ることはありませんか?

    ①睡眠時間を確保しているのに寝不足である
    ②日中に倦怠感や眠気を感じる
    ③記憶力や集中力が低下した
    ④頭痛がある
    ⑤睡眠時にいびきをかく

    これらに当てはまる方は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

    重度の場合呼吸不全をきたすこともありますので一度チェックリストを受けていただければと思います。

    睡眠時 無呼吸 無呼吸チェック

     睡眠時無呼吸症候群とは?

    まず睡眠時無呼吸症候群(SAS)についてその特徴をご説明します。
    これは名前の通り睡眠中に呼吸が数秒間停止し、それを何度か繰り返す病気です。

    具体的には
    睡眠中に10秒以上のの呼吸停止(無呼吸)が1時間に5回以上みられると
    睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

    罹患されている人の割合は日本では男性の3.3%、女性の0.5%ほどです。

    実際に診断するためには終夜睡眠ポリグラフィー検査という特殊な検査が必要ですが、
    セルフチェックでも無呼吸の傾向を測ることができます。

     

     眠気のチェックリスト

    睡眠時に無呼吸がみられる人は質の良い睡眠が確保できていません。
    そのため日中に眠気を催すことがしばしばあります。
    眠気チェックリスト 睡眠時無呼吸症候群  チェックリスト
    上記のチェックリストで
    11点以上の方は睡眠時無呼吸症候群の疑いがありますので注意が必要です。

     

    どんな人がなりやすいの?

    以下に当てはまる場合、睡眠時に無呼吸を発症しやすいとされています。

    – 太っている
    – 顎が小さい
    – 顎が後退している
    – 舌が大きい
    – 扁桃腺が大きい

    これらに当てはまる方は睡眠時に横になると
    気道が閉塞しやすくなるため呼吸がしずらくなります。

    したがって睡眠中にいびきをかく人の多くもこれらに当てはまることが多いです。

     

    どんな影響があるの?

    では、睡眠時無呼吸になることにより、身体にどんな影響があるのでしょうか。

    冒頭にも少し挙げたように、以下の症状が見られることがあります。

    – 慢性的な睡眠不足
    – 頭痛
    – 日中の眠気や倦怠感
    – 記憶力や集中力の低下
    – 高血圧など生活習慣病のリスク因子
    – 突然死

     

    治すことはできるの?

    睡眠中に気道が閉塞しない状態をつくる必要があります。
    根本的な治療をご希望であれば気道確保のための手術が必要ですが、
    それ以外にも対処療法ではありますが、改善のための治療法がいくつかあります。

    ①CPAP
    経鼻的持続陽圧呼吸装置で圧力をかけて睡眠時に空気を肺に送り込む装置です。

    ②ダイエット
    睡眠時無呼吸症候群の70 %は肥満とも言われていますので、
    食事療法や運動療法が有効です。

     

    歯科ではどんなことをしてくれるの?

    実は歯科でも睡眠時無呼吸症候群の方のための治療が導入されています。
    具体的には医療機関からOral Appliannce治療が必要と判断されて、
    歯科に以来を受けた場合に専用のマウスピース(OA)を導入します。

    これは一般的なマウスピースとは異なり、
    顎の位置を前方に誘導した状態で装着していただく物になりますので
    適切な診査をした上でお作りします。

    疾患でお困りの方やいびき防止にも効果がありますので、
    気になる方は是非お問い合わせください。

     

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  • こどもの口腔機能

    投稿者:clover

    こんにちは!歯科医師の渡辺紘子です 😀

    皆さんは口腔機能発達不全症という言葉を聞いたことはありますか?

     

    最近の子供達は食環境の変化からお口の機能が発達しにくいと言われています。
    食事中にくちゃくちゃ音を立てて食べる早食いや、
    食べ物を飲み物を流し込む
    柔らかいものを好み、
    歯応えのあるものを避ける
    滑舌が悪く、
    舌たらず
    お口がポカンと開いているなど当てはまることはありませんか。

     

    私自身子供の頃には口が開いていることをよく両親に注意されていました。

     

    ピアノの発表会で写真を撮る時に、

     

    写真に音はのらないから「間違えても良いから口は閉じてくれ。」

    と言われたことを覚えています笑

     

    お口の機能が発達していないとは、
    食べる機能
    話す機能
    呼吸する機能
    が弱いということです。

     

    子供の頃に覚えたことは定着しやすく、
    大人になってから改善する方が難しいと言われています。

     

    成長期の口腔機能不全をそのままにしておくと、
    顎の発育不全が進行し、大人になってからの治療を難しく、
    予後を悪くすることにも繋がります。

     

    また鼻呼吸ができず、口呼吸を行うと空気中の雑菌がそのまま肺に入り
    炎症を起こしやすく、アレルギー発症に繋がる場合もあります。

     


    口腔機能低下症 口腔機能変化 口腔機能発達不全症

    35

    しっかりとした嚥下・咀嚼機能を身につける

     

    20代前後

    口腔機能ピーク

     

    65歳あたり

    口腔機能低下 

     

    加齢と共に口腔機能は弱っていきますが、
    幼少期からしっかり口腔機能を発達させておくことは、
    生涯にわたって健康に生きるために必要なことです。

    口腔機能と歯列の成長は密接に関係しています。

     

    ここで正しい状態を説明します。

     

    安静時(何もしてない時)

    唇は閉じて、鼻で呼吸をします。
    舌の位置は1番前の歯の裏側あたりの口蓋に位置します。

    実はこの時に上下の歯は接触していません。
    安静空隙があります。

     

    咀嚼時 


    唇は閉じたままです。
    舌で食べ物を左右に動かして、左右均等に咬みます。
    歯応えのあるものは奥歯を擦り合わせて(グラインディング咀嚼)
    頬っぺたと舌も使っていきます。

     

    柔らかい食べ物は上下に歯を噛み合わせて(チョッピング咀嚼)いきます。

     

    嚥下時 

    唇は動かず、舌の位置は口蓋に押し付けて食べ物を喉の奥に移動をさせます。
    この時上下の歯はしっかり咬合します。
    ちなみに現代人はチョッピング咀嚼がメインで、グラインディングをするような、
    頬と舌の強調運動が苦手な人が多いと言われています。

     

    むし歯の数は年々減っていますが、逆に口腔機能が低下している子は増加しています。

     

    おうちのお子さんはどうでしょうか。
    むし歯があるかをチェックするだけでなく、お口の機能にも注目していきたいですね。

     

    当院では小児矯正、また管理栄養士による食育にも力を入れています。

     

    診療室以外のお家での様子などもお聞かせください。ぜひお待ちしております。

     

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  • 虫歯にはレベルがあります

    投稿者:clover

    こんにちは!歯科医師の渡辺です 😀
    以前歯の構造とむし歯のでき方をお伝えしましたが、
    これらを踏まえて今回は虫歯のレベルについてお話ししたいと思います。

    前回は脱灰、軟化→着色→細菌侵入と

    ラスボスのように歯の中を侵入する細菌ですが、
    この細菌が歯の中のどこまで進行しているかによって
    むし歯の深さ、むし歯のレベルが変わってきます。

    むし歯のレベルは全部で5段階に分けられます!

     

    ・C0


    1番外側のエナメル質が脱灰を始めたばかりの頃。
    レントゲン上では見えないですし、まだ削ったりはしないで
    頑張ってケアをすれば再石灰化ができる時期です。

     

    ・C1


    外側のエナメル質は、エナメル小柱が外側から象牙質側の内側方向へ連なっています。
    むし歯はこの小柱に沿って進行します。
    つまり小柱の並び方をイメージできると虫歯の広がり方の特徴と繋がりますね。

    エナメル質までの虫歯は比較的小さく、痛みを伴わないことが多いです。
    ただ痛くなくても立派なむし歯です。
    C0のように再石灰化では補えません

     

    ・C2

    エナメル質を突破した虫歯は象牙質に到達すると
    さらに象牙細管を伝って歯髄側に進みつつエナメルー象牙境という
    エナメル質と象牙質の境界線を沿って広がります。

    ちなみに象牙細管は知覚過敏の説明をする時にもポイントなります。
    (が知覚過敏についてはまた別の機会に説明したいと思います。笑)

    この象牙細管というのが字の如く、細い管のようなもので歯髄まで続いています。
    管の中は空っぽではなく、結晶性の無機質がつまっていて歯髄への刺激を遮断していますが、
    これらが酸によって壊されると、
    管から刺激が歯髄(神経の部屋)まで伝わって痛みを感じるようになります。

    痛みを感じ出したらむし歯としては結構大きいです。

    歯医者としてもなるべく神経を残したいので、
    歯髄近くの象牙質を削る時はより注意をはらってむし歯をとります。

     

    ・C3

    さらに虫歯がすすんで象牙質を突破して歯髄まで到達すると神経を残すことは基本的にはできなくなります。
    (根未完成歯などは虫歯の進み方によっては上の方だけ神経をとって根っこだけ神経残すこともあります。)

    この頃には痛みはさらに大きくなり、何もしなくても痛く(自発痛)、痛み止め効きにくくなります。

    この状態になると歯髄炎と言って、炎症が強く麻酔も効きにくいです。

     

    ・C4

    この痛い状態を耐えて!?そのままにするとどうなるのか・・・
    歯の頭全体が虫歯で溶けていき、虫歯はそのまま根っこを伝わり、
    歯を支えている骨(歯槽骨)まで溶かしていきます。

    この頃は歯の神経は死んでいるので、痛みが引いたように感じるかもしれません。
    ただこの状態を長く放置すると、周りの歯茎や骨が痛みリンパも腫れていきます。

    1本の歯が悪くなるだけでなく、隣にまで影響してしまいます。

    治療法としては基本的には抜歯になります 😥

     

    ここまでむし歯のレベルをお伝えしましたが、

    歯が痛くなってからの治療だと神経を抜いたり、歯を抜いたりする可能性があります。

    痛くなる前に早期発見、早期治療のためにも
    症状が出る前に一度歯医者さんへお越しください。

    ご予約は24時間受付のWEB予約をぜひご利用ください 😀