• Tooth Wear口腔内でおこる硬組織欠損

    投稿者:clover

    Tooth Wearとは

    Tooth Wearとは非細菌性で慢性的な物理、化学が原因でおきる硬組織欠損のことです。
    例えば過剰な咬む力、ブラッシング圧、酸性食物の摂取などが原因としてあげられます。
    歯がくびれてたり、窪みがあるのに歯医者さんでむし歯ではないと言われたことはありませんか。
    またむし歯ではないけど削って詰めましょう、と言われたことはないですか。
    今回はどうしてそうなるのかお話ししていきますね。

    咬耗症


    咬耗症とは歯と歯の過剰な咬合接触によって歯がすり減ることです。
    いわゆる歯ぎしりによって咬合面が削れていくことですね。
    咬耗症の方に歯ぎしりなどの下顎の側方運動をしてもらうと、ファセット(歯の面)がパズルのように一致します。
    歯ぎしりの自覚がない方も自分の歯の咬合面に注目しながらぜひ鏡の前で確認してみてください。

    摩耗症


    摩耗症とは歯と物の過剰な接触よって歯がすり減ることです。
    例えば習慣的な歯磨きの際の過度なブラッシング圧によるものや、
    ガラス職人が吹き棒を咥えたり、大工さんが釘を咥えたりなど職業的に物が歯に当たっていると歯がすり減ります。
    歯ブラシの当てる圧としては100〜150gくらいが理想です。
    またブラシの毛先が買い替えてすぐに広がってしまう方、もしかしたら力強いかもしれません。

    アブフラクション


    アブフラクションとは咬合力が原因で歯がたわんで欠けてしまうことです。
    咬耗症、摩耗症とは違い力がかかっているところが削れるのではありません。
    過度に力がかかると歯がたわみます。
    強く噛んで歯がたわむと、引っ張られた歯の表面に応力が集中しやすいです。
    その結果エナメル質に亀裂が入り、破壊されます。
    破壊された場所はが楔状欠損、WSDと言われるような形の欠け方をします。
    咬耗症が見られる方にも良くみられます。

    酸蝕症


    酸蝕症とは酸の作用により表面が脱灰して歯が削れます。
    今までは力が原因でしたが、今度は化学的な要因になります。
    酸がむし歯菌が作ったものの場合は、いわゆるむし歯で細菌性のため酸蝕症ではないです。
    酸蝕症に当てはまる酸としては過剰摂取した酸性食品や逆流性胃腸炎による胃酸が当てはまります。
    酸性食品は例えばお酢やビタミン剤、柑橘系飲み物などですね。
    歯の形としては咬合面が陥凹していたり、くぼんでいたり(杯状欠損)します。


    このようにむし歯以外でも歯質が削れてしまうことはあります。
    ただ治すのではなく原因が何か、生活習慣や習癖を一緒に考えながら治療を行っていきたいですね。
    次回はTooth Wearからの改善や治療方法を記事にしようと思います。

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  • 親知らずの抜歯を迷う方へ:抜くべきかどうかの判断ポイント

    投稿者:clover

    親知らず 抜歯 登戸歯科

    親知らずを抜くべきかどうか迷っている方にとって、抜歯を決めるのは簡単ではありません。ここでは、親知らずの抜歯に関する判断基準やリスク、抜かない場合の注意点を詳しく解説します。

     

    1. 親知らずの状態と抜歯の必要性

    親知らずを抜くかどうかの判断には、歯の状態を把握することが重要です。例えば、親知らずとその手前の歯の間が虫歯になっている場合、今すぐ抜く必要はないかもしれませんが、将来的に痛みや不具合が発生する可能性があります。抜歯後に神経が刺激を受けやすくなるリスクもあるため、医師と相談しながら慎重に検討することが大切です。

    2. 抜歯によるリスクと経過観察のメリット

    抜歯をする際には、神経が近い場合に痛みが出るリスクが考えられます。一方で、抜かずに経過を観察することで、将来的なリスクを抑えることも可能です。ただし、痛みや炎症が発生したり、歯茎と歯の間に汚れが溜まりやすくなったりするため、定期的なチェックが必要です。

    3. 歯茎への影響と炎症リスク

    親知らずがあることで、歯茎に汚れが溜まりやすくなり、炎症が起こりやすくなります。放置すると歯茎が腫れたり、虫歯が進行したりするリスクがあるため、親知らずがある方は特に注意が必要です。

    4. 年齢によるリスクの変化

    年齢が上がるにつれて、歯茎や骨の状態が変わっていき、抜歯が必要になる可能性も高まる場合があります。親知らずが周囲の歯や噛み合わせに悪影響を与えることがあるため、将来的なリスクを見越して早めの抜歯を検討することも一つの選択肢です。

    5. 抜歯しない場合の定期的なケア

    痛みがなく、親知らずに異常がない場合は、抜かずに経過観察を選ぶこともあります。ただし、汚れが溜まりやすく、炎症や歯周病のリスクがあるため、定期的なレントゲン検査や歯科検診が推奨されます。また、石灰化した汚れが原因で痛みが生じることもあるため、違和感がある場合はすぐに歯科医に相談しましょう。

     

     

    親知らず抜歯に関する判断基準まとめ

    親知らずの抜歯を考える際、以下のポイントを参考にすると判断しやすくなります。

    1. 痛みや腫れの有無

    日常的に痛みや腫れがある場合、抜歯を検討するのが良いでしょう。

    2. 汚れが溜まりやすい位置かどうか

    親知らずが汚れやすい場所にあると、歯周病や虫歯の原因となりやすいため、抜歯が勧められることがあります。

    3. 年齢と歯茎の健康状態

    年齢が上がるにつれてリスクが増えるため、若いうちに抜歯することで将来のトラブルを予防できることがあります。

    4. 定期的なレントゲン検査

    実施親知らずの状態を把握するために、定期的にレントゲン検査を行うことが大切です。

    5. 痛みがなくても異常がある場合

    親知らずの根が溶けているなど、レントゲンで異常が確認された場合には、早めに抜歯することでリスクを減らすことができます。

     

    歯科医師:内田

  • 授乳中って歯科治療を受けていいのかな?という疑問にママ歯科医師がお答えします

    投稿者:clover

    授乳中って歯科治療を受けていいのかな?という疑問について、結論から申し上げると、適切な局所麻酔薬や内服薬を選択することで、歯科治療は可能と言えます。

    当院では医科-歯科の連携も力をいれており、ご不安な点があれば当院から産婦人科の先生へのご相談もさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
    先月は外傷についてブログを書いており、来月続きを書きます、と宣言しておりましたが、
    授乳中の方から質問をよくいただきますので、不安解消のために予定していたテーマを変更しております。
    「妊娠中の歯科検診で虫歯と言われたけれど、出産後に治療しましょうという話でした」
    「授乳中に麻酔をして、問題ないでしょうか」
    「妊娠中に、虫歯が大きくて抜く必要があると言われたけれど、授乳中に抜いて大丈夫ですか」
    「妊娠中に引越しをして、以前の歯医者さんが遠くて新しいかかりつけ歯科医院を探しています。授乳中ですがどうでしょうか」
    などなど、よくいただく質問です。

    産後に治療をしよう!と思っていたけれど、いざ産後になってみたらご不安に思われる方も少なくないと思います。

    麻酔について

    まず麻酔についてお話しますと、多くの薬物は母乳中に移行するため、授乳中も薬物の使用は気を付ける必要があります。
    しかし、局所麻酔薬が母乳中へ移行する量は非常に少なく、通常の使用量であれば乳児への影響はほとんどありません。
    ただ、授乳中の方も授乳中でない方と共通の注意事項になりますが、麻酔というものに対して気を付ける点はございます。

    麻酔について気を付ける事

    特に産後は3時間に一度の授乳だったり、夜泣きだったり、生活リズムが乱れやすい時期でもあり、「寝不足で・・・」とおっしゃる方が控えめに言って少なくありません。
    産後で忙しく体調が万全でないときに、ドキドキの歯科治療!ちくっとする麻酔(妊娠中に治療をしていないので久々)となったときに、血管迷走神経反射という反射が起こり、気持ち悪くなってしまう可能性がゼロではありません。
    血管迷走神経反射は、痛み、不安などのストレスによってまず交感神経が緊張し、これに続く間接的な迷走神経緊張状態から循環抑制が起こるため生じると言われています。
    ちなみに血管迷走神経反射の主な症状として、気分不良(気持ち悪さ)、顔面蒼白、意識消失(意識を失いそうな感覚)が挙げられます。
    ちなみにこの血管迷走神経反射、局所麻酔後の全身的偶発症としては最も多いものであり、健常な方にも起こるものです。(米国では局所麻酔を行う患者のうち、0.65%に発生したと報告があるとのこと)
    血管迷走神経反射の発症頻度は男性に比べて女性の方が高く、年齢との関連は、若年者でより発症頻度が高いと言われていることもあり、【一般社団法人 日本歯科麻酔学会 歯科治療中の血管迷走神経反射に対する処置ガイドラインより】産後の通常と違う体調の時には注意していただきたい点でもあります。

    局所麻酔薬の成分面や投薬についても書きたかったのですが、長くなってしまったので12月のブログで書きたいと思います

    もし妊娠中、授乳中にご不安な点がありましたら、お気軽にご相談ください。

    登戸クローバー歯科・矯正歯科の歯科医師 川端