口の中が痛い!〜手足口病について〜
こんにちは。登戸クローバー歯科・矯正歯科の津野田です。近日流行している手足口病についてお話しします。
歯科医院は歯のことしか見てもらえないと思われている方もおりますが、じつは口腔内やその周囲の粘膜疾患の診断や治療も歯科医院では行われています。
その中でもこの時期に流行している手足口病は、病名の通り口やその周囲にも症状が出るため早期発見と対策のお役に立てればと思います。
手足口病について
手足口病は、主に乳幼児を中心に発症するウイルス性の感染症で、主にエンテロウイルス(エンテロウイルス71型やコクサッキーウイルスA16型など)によって引き起こされます。
この病気は特に夏から秋にかけて流行することが多く、日本でも毎年多くの子供たちが感染しています。
ウイルスは感染した人の唾液や鼻水、便、皮膚の水疱から他の人へと感染しやすく、特に集団生活をしている幼稚園や保育園などで広がる傾向があります。
症状
手足口病の主な症状は、手、足、口の中にできる小さな水疱や発疹です。
口の中にできた水疱は痛みを伴うことが多く、子供が食事をとるのが難しくなることがあります。
また、38度程度の発熱がみられることもありますが、高熱が出ることは少ないです。
手足口病の症状は一般的に軽度で、1週間から10日ほどで自然に回復することが多いですが、まれに髄膜炎や脳炎などの重篤な合併症を引き起こすこともあります。
そのため、症状が重い場合や異常な神経症状がみられる場合には、すぐに医療機関を受診する必要があります。
治療法
手足口病には特定の治療薬やワクチンは現在のところ存在していません。
治療は主に対症療法が中心です。
発熱や痛みがある場合には解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)が処方されることが一般的です。
ただし、口の中の水疱が痛くて水分や食事が十分に摂れない場合には、脱水症状を予防するためにこまめに水分を摂ることが重要です。
刺激が少ない冷たい飲み物やゼリー状の食品などが推奨されます。また、重篤な合併症が疑われる場合には、入院治療が必要になることもあります。
予防法
手足口病は、ウイルスによって引き起こされるため、基本的な感染予防対策が非常に重要です。
まず、手洗いの徹底が最も効果的な予防法とされています。
特にトイレの後や食事の前後、外出から帰った後には石鹸でしっかりと手を洗うことが推奨されます。
次に、ウイルスが付着している可能性のあるおもちゃや食器、タオルなどの共有を避け、定期的に消毒を行うことも大切です。
また、感染者との接触を避けるために、手足口病にかかった場合には、症状が治まるまで集団生活を控えることが望ましいです。
手足口病に対しては免疫がつくこともありますが、異なる型のウイルスによって再び感染する可能性があるため、一度罹患しても油断は禁物です。
保育施設や家庭内での感染拡大を防ぐためには、早期に感染者を特定し、適切な隔離やケアを行うことが必要です。
手足口病:まとめ
手足口病は、主に乳幼児に見られるウイルス感染症であり、多くの場合は軽度の症状で自然に回復しますが、まれに重篤な合併症を引き起こすこともあります。
治療法としては対症療法が中心であり、予防には手洗いの徹底や感染者との接触を避けることが最も効果的です。
感染のリスクが高い環境では、適切な衛生管理を行うことで、感染拡大を防ぐことが大切です。
口の中が痛いけどどこで診て貰えばいいの?といった際には、手足口病やそのほかの疾患の鑑別診断が必要になりますので、是非当院にご相談いただければとおもいます。
登戸クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 津野田