• 授乳中って歯科治療を受けていいのかな?という疑問にママ歯科医師がお答えします

    投稿者:clover

    授乳中って歯科治療を受けていいのかな?という疑問について、結論から申し上げると、適切な局所麻酔薬や内服薬を選択することで、歯科治療は可能と言えます。

    当院では医科-歯科の連携も力をいれており、ご不安な点があれば当院から産婦人科の先生へのご相談もさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
    先月は外傷についてブログを書いており、来月続きを書きます、と宣言しておりましたが、
    授乳中の方から質問をよくいただきますので、不安解消のために予定していたテーマを変更しております。
    「妊娠中の歯科検診で虫歯と言われたけれど、出産後に治療しましょうという話でした」
    「授乳中に麻酔をして、問題ないでしょうか」
    「妊娠中に、虫歯が大きくて抜く必要があると言われたけれど、授乳中に抜いて大丈夫ですか」
    「妊娠中に引越しをして、以前の歯医者さんが遠くて新しいかかりつけ歯科医院を探しています。授乳中ですがどうでしょうか」
    などなど、よくいただく質問です。

    産後に治療をしよう!と思っていたけれど、いざ産後になってみたらご不安に思われる方も少なくないと思います。

    麻酔について

    まず麻酔についてお話しますと、多くの薬物は母乳中に移行するため、授乳中も薬物の使用は気を付ける必要があります。
    しかし、局所麻酔薬が母乳中へ移行する量は非常に少なく、通常の使用量であれば乳児への影響はほとんどありません。
    ただ、授乳中の方も授乳中でない方と共通の注意事項になりますが、麻酔というものに対して気を付ける点はございます。

    麻酔について気を付ける事

    特に産後は3時間に一度の授乳だったり、夜泣きだったり、生活リズムが乱れやすい時期でもあり、「寝不足で・・・」とおっしゃる方が控えめに言って少なくありません。
    産後で忙しく体調が万全でないときに、ドキドキの歯科治療!ちくっとする麻酔(妊娠中に治療をしていないので久々)となったときに、血管迷走神経反射という反射が起こり、気持ち悪くなってしまう可能性がゼロではありません。
    血管迷走神経反射は、痛み、不安などのストレスによってまず交感神経が緊張し、これに続く間接的な迷走神経緊張状態から循環抑制が起こるため生じると言われています。
    ちなみに血管迷走神経反射の主な症状として、気分不良(気持ち悪さ)、顔面蒼白、意識消失(意識を失いそうな感覚)が挙げられます。
    ちなみにこの血管迷走神経反射、局所麻酔後の全身的偶発症としては最も多いものであり、健常な方にも起こるものです。(米国では局所麻酔を行う患者のうち、0.65%に発生したと報告があるとのこと)
    血管迷走神経反射の発症頻度は男性に比べて女性の方が高く、年齢との関連は、若年者でより発症頻度が高いと言われていることもあり、【一般社団法人 日本歯科麻酔学会 歯科治療中の血管迷走神経反射に対する処置ガイドラインより】産後の通常と違う体調の時には注意していただきたい点でもあります。

    局所麻酔薬の成分面や投薬についても書きたかったのですが、長くなってしまったので12月のブログで書きたいと思います

    もし妊娠中、授乳中にご不安な点がありましたら、お気軽にご相談ください。

    登戸クローバー歯科・矯正歯科の歯科医師 川端

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