• 書籍のご紹介(ゴムメタル矯正①)

    投稿者:clover

    初めまして!登戸クローバー歯科・矯正歯科の古橋です。

    現在、私は、理事長先生、院長先生をはじめ先輩の先生方のアシスタントに付きながら学ばせていただいております。患者様によりよい治療を提供するために、これからもより一層努力して参ります。よろしくお願いいたします。

    今回、日々の臨床においてとても役立つ書籍に出会えたのでご紹介させていただきます。

    それは、「必ず上達 GUMMETAL矯正歯科治療 (著者)長谷川 信 先生 クインテッセンス出版」という本です。

    まず、ゴムメタル(GUMMETAL)は、2001年にトヨタ中央研究所(愛知県)先進金属研究室が開発した体心立方構造をもつβ型多機能チタン合金です。

    2010年に歯列矯正用ゴムメタルワイヤー(JM Ortho Corporation)として販売が開始されました。

    歴史的に従来からある素材である歯列矯正用のステンレススチールワイヤーやニッケルチタン合金ワイヤーなどのワイヤーと比べると新しいワイヤーの素材です。

    この本は、その新しい金属であるゴムメタルを矯正歯科治療ワイヤーとして製品化した長谷川 信 先生が自ら臨床への応用を解説してくださっている貴重な本です。

    この、必ず上達シリーズは写真やイラストが豊富で理解しやすく書かれており、ゴムメタルワイヤーを使った矯正歯科治療について学んでいきたい若手の歯科医師の先生にとってとても読みやすくおすすめな良書です。

    私も、このゴムメタルワイヤーの優れた特性や臨床への応用を深く理解して、患者様へよりよい矯正歯科治療を提供していきたいと思いました。

    ご興味のある方は是非、手に取って読んでみてください(^-^)

  • 志野□非抜歯矯正のすすめ方

    投稿者:clover

    こんにちは。歯科医師の鈴木志野です。

    今回は非抜歯矯正の具体的な進め方について説明させていただきます。

    治療方法など

    ①顎が狭い→顎を広げます。

    ②歯が大きい→歯を小さく削ります。(ストリッピング(IPR)と言います。歯を削りたくない場合には削りません。)

    ③歯が前方や内側に倒れてきている→歯をまっすぐにしていきます。

    ④垂直なスペースを改善する

    (③と④はGUMMETAL、MEAWワイヤーで治療します)

    ストリッピング(IPRについて)

    例えば歯が三角っぽい場合このまま歯を並べると

    ブラックトライアングルという隙間が生まれてしまいます。(歯と歯の間の黒い部分です。)

    そこで形を整えるために少し(0.2-0.5mm程度)削ります。歯の周りにエナメル質という無機質な構造があり、一般的にエナメル質が2-3mm程度といわれています。このうちの0.2-0.5mmを削って正常の歯の大きさにしていきます。

    緑の部分を削ります。画像ではわかりやすいように大きく書いていますが、実際にはここまで削りません。

    歯の形態を整えた後歯並びを整えると歯の形態が長方形で美しく、ブラックトライアングルのない歯並びになります。

    GUMMETAL、MEAWワイヤーについて

    ゴムメタルワイヤーとは豊田中央研究所で開発された新チタン合金素で作られた矯正用ワイヤーです。

    従来の矯正治療によく使われるニッケルチタンワイヤーと同様に、形状記憶する合金でありながらニッケルチタンワイヤーにはない曲げることができるという特性をもったワイヤーです。

    ゴムメタル素材の金属は矯正用ワイヤー以外にも医療用カテーテルや眼鏡フレーム、テニスラケットやゴルフクラブ、工業用製品などにも使われています。

    またニッケルを含まないためニッケルアレルギーのある患者さんにも適している生体に優しい金属です。

    これにより倒れている歯をまっすぐにしたり、歯を奥に動かしたり、顎を広げたりします。

    また噛み合わせを深くしたり、浅くしたりもできます。

    通常の矯正ではストレートワイヤーというニッケルチタンワイヤーを中心に使い、動かしていきます。

    このワイヤーはレベリング(全体的にバランスよく並べる)にはとても良いワイヤーですが、垂直方向の動きは苦手です。

    また奥への動きもできません。

    この欠点を解消してくれるのがGUMMETAL、MEAWワイヤーです。

    これを使いこなすことにより歯を三次元的にかなり自由に動かすことができます。

    このGUMMETAL、MEAWワイヤーを使いオーストリア咬合学を元にした治療法により一般的な矯正法に比べて治療期間が約半分と短くなり、歯を抜かずに見た目のバランスと噛み合わせこバランスを整えられるようになります。

    GUMMETAL、MEAWワイヤーを用いた矯正法では治療期間が早い方で6ヶ月、じっくりきちんと治したい方や難しい噛み合わせの方の場合には2年くらいと比較的短く矯正することができまるのも、この矯正法の特徴です。

    顎の正しい位置は、歯の模型や写真、レントゲンの検査などで計測をする必要があります。

    例え見た目の歯並びがきれいになっても、噛み合わせがしっかりしていなければ矯正をしても意味はありません。

    歯を三次元的に動かして全体のバランスをとることが重要なのです。

    ただ残念ながらこれを使いこなす歯科医は矯正をしている中でもごく少数しかいないため、一般的には歯を抜く矯正が主流になっています。

    このワイヤーを正しく使うことにより、多くの方が歯を抜かずに矯正をするこができます。

    GUMMETALでの矯正の特徴

    ①歯をまっすぐにすることで後ろに動かすことができ、ディスクレパンシーの解消(歯を並べるスペースを作ること)が可能になる

    歯並びがガタガタしている原因として現代人は歯が並ぶスペースが足りず(この歯を並べる足りないスペースの合計をディスクレパンシーと呼びます)、その結果並びきらず、叢生(歯並びがガタガタする状態)になります。

    このワイヤーを使うことで歯を押したり引っ張ったりではなく歯をひねる力を入れることができます。

    歯が手前側に倒れている状態
    歯冠にひねる力が入ると
    根が直立させる力をいれることができる
    結果的に歯を奥に動かすことができる

    これを奥歯全体にすることで歯列全体を起こすことができ、歯列全体を奥に動かすことができます。

    多数歯を同時に起こすことでより奥にできることができるのもこのワイヤーの特徴です。

    ②歯をまっすぐ正しい方向に起こすことによって歯が直立し、かつ平行な歯軸を保つことができる

    歯をまっすぐにすることで結果的に本来歯の根に負担がかかりにくいように噛むことができるため、歯にかかる負担が減り、長期的な安定をもたすことができます。

    ③噛み合わせの平面を修正することにより顎位が安定する

    GUMMETAL を使うことで本来困難とされていた奥歯を下げる(歯の圧下とよびます)動きや、垂直的なコントロールも可能になります。

    柔らかな金属特性によって三次元的な動きが正確に、自由に動かすことが可能になり、歯の負担のかからないコントロールができるためです。

    これにより長期の安定が充分可能になります。

    ④治療期間の短縮

    歯の一括移動や、第一小臼歯の抜歯を減らすことで、治療期間を半分以下にすることができます。

    ⑤第一小臼歯の抜去しなくてもいい場合が増える(非抜歯矯正が可能になるケースが増える)

    非抜歯矯正とはいっても全く抜かない訳ではありません。例えば親知らずの抜歯を必要とするケースが多いです。

    例えばGUMMETALを使うことで以下の動かし方をできます。

    奥歯が全体的に前に倒れ込んでいることで前歯が前に倒れ込んでしまっているケース

    このような場合だと噛み合わせが深く、上の歯が前に倒れてしまい、出っ歯な印象になることが多いです。

    先に親知らずを抜歯し
    青い線のようなGUMMETALを入れると

    奥歯がまっすぐになり後方に、かつ噛み合わせの平面がまっすぐになります。

    この動きをすることで親知らずのあったスペースを活かして奥歯を後ろに動かし、かつ噛み合わせの平面がまっすぐになります。噛み合わせを上げることで前歯をより下げることができます。

    また別のケースですが歯が内側に倒れているケースに対しては以下のようなねじれをなおすことでスペースを作ることができます。

    内側に倒れている歯のねじれをとることで
    赤い点を中心にオレンジの向きに回転することで緑のスペースの確保が可能になります。

    総括

    いかがでしたか。

    少し専門的なお話になってしまいましたが、GUNMETAL を使用することで

    歯を起こし、後ろに動かす

    歯を後ろに回転する

    内側に倒れた歯を起こす

    など一つ一つは小さいですがトータルで換算すると大きなスペースを作れるケースは多いです。

    これはあくまでも一例ですので、この方法で治せる方もいますし別の方法で治すべき方もいらっしゃいます。

    また当院では矯正相談も随時受付しております。

    矯正に興味がある方、他院で抜歯が必要と言われた方、また今の噛み合わせがどういう状態か知っておきたい方、まずはお気軽にご相談ください。

  • 抜歯について(書籍のご紹介)

    投稿者:clover

    こんにちは。登戸クローバー歯科の津野田です。今回は抜歯に関する情報をそれの基礎を学ぶ上で有意義な勉強ができる書籍に出会いましたのでご紹介します。

    今回ご紹介するのは「必ず上達 抜歯主義 堀之内康文著」という本です。これは抜歯をする歯科医師が抜歯をする前に身につけるべき重要事項から、具体的な手技まで基本的な内容は全て網羅されたものになっています。抜歯をする前には麻酔が必要ですが、それをしっかり効かせるために必要な解剖学的知識もしっかり載っています。また、いざ抜歯をするとなっても歯の形や並びは人により全く異なるため、何通りもの手技を身につける必要があります。それを一つ一つ丁寧に紹介してくれています。個人的には抜歯一つでもこれほどの手技があるのか驚いた次第で、最も参考になった点の一つです。

    抜歯は手術でありますので気をつけるべき点が非常にたくさんあります。この本には抜歯に伴う偶発症やその対処法も詳しく説明されており、著者の患者さんに対する配慮を感じます。実際、臨床においても、患者さんの不安が強くなると麻酔が効きにくかったり痛みを感じやすくなることもあるので非常に参考になりました。抜歯の際に患者さんが痛い思いや辛い思いをしないよう、基本に忠実であるべきことをこの本から教えていただきました。

  • 北舘:歯並び歯育て

    投稿者:clover

    こんにちは。登戸クローバー歯科・矯正歯科です。管理栄養士の北舘と申します。

    先日、Amazonでポチりました。

    なんと、理事長の鈴木もお読みのようでした!

    著者の歯科医師さんは当医院と考え方が似ている非抜歯矯正歯科【歯を出来るだけ抜かない矯正】をおすすめされており、マウスピース矯正を学び、ご夫婦で歯科医院を開業されておりご夫婦共著です。

    奥様のお母さん目線で編まれてます。

    たくさん付箋をして読み込み中。マイナス0歳からの歯育てから本はスタートします。まずはご家族の口腔内のケアです!大切!

    読み進めて行くほど、うちの子どうだったかなー?おやつにスルメを持たせてたのは間違いなく、友人の車に食べかけスルメを置いてきちゃう事件があったなー。乳歯が隙間なく生えて矯正相談してもらったなぁー。などなど。

    虫歯予防の他に顎の発達を積極的にすすめて、出来るだけ永久歯がしっかりとアーチを描いて萌出するように。また、ホームホワイトニングも社会に出る頃までにした方が良いとなかなか積極的。

    毎日の口腔内ケアと共にいらして頂いている患者さまにお伝えできると嬉しいです。

  • 書籍の紹介

    投稿者:clover

    こんにちは。歯科医師の津野田です。今回は歯科医師向けの本を一冊ご紹介します。
    歯科医療のスキルアップのためのインプットにはセミナーや学会の他、本やYouTube動画など多種多様です。特に動画は簡単にインプットできるため若い歯科医師の間では普及されつつあります。その中でも、支持され続けるであろう素晴らしい本に出合いました。それが今回紹介する『支台歯形成のベーシックテクニック 岩田健男著』です。

    これは歯に「被せ物」を入れる前に歯を削る行程がありますが、その削り方に焦点を当てた本です。この本は器具の選び方やテクニック、歯の設計図すべてにしっかりとした根拠が示されており非常に丁寧に解説されています。したがって表面的なテクニックではなく、しっかりとした根拠に基づいた理解が得られるのです。そうすることで診療において異なった歯の形や歯並びに遭遇しても、同じように学んだスキルを再現することができるようになります。このような書籍が多く出てほしいと願うばかりです。
    こうした一つ一つの積み重ねが日々の診療につながると信じて勉強に励む毎日です。