どうして歯並びが悪くなるの?
まずはじめに不正咬合(歯並びが悪い状態のことです)の要因について、
皆さんはこんな言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「思考に気をつけなさいそれはいつか言葉になるから
言葉に気をつけなさいそれはいつか行動になるから
行動に気をつけなさいそれはいつか習慣になるから
習慣に気をつけなさいそれはいつか性格になるから
性格に気をつけなさいそれはいつか運命になるから」
上記の格言はマザーテレサの言葉だそうです(諸説あり)
先日セミナーへ参加し発生学と歯並びの関連について学んできました。
内容としてまとめると上記の名言のようなことが歯並び、
もとい人間の成長についても同じようなことが言えるということです。
私たち人間は同じ人種間でも顔面、特に下の顎の位置には個性があります。
これは他の四足歩行の動物とは比較にならないほど豊かなバリエーションがあるのです。
受け口の猫とか見たことないですもんね 😀
どうして私たち人間には色々な歯並びの種類があるのでしょうか。
人は進化の過程で四足歩行から二足歩行になったことは広く知られています。
二足歩行になったことで、手が自由に使えるようになったことで脳が発達しました。
この脳の発達により成長の垂直化(縦の成長が大きくなった)が進んだともいわれています。
難しいことは省きますがこの縦の成長がポイントで、
これにより下顎の位置が四足歩行の時よりも安定しなくなります。
安定しない下顎の位置はレコードの針がレコード盤の上に位置を決めるように
上顎と何とか咬める位置を探していきます。
これを下顎の適応といいます。
そう、これが人それぞれ歯並び、あごの大きさにバリエーションがあり、また不正咬合の原点といえるのです。
先の名言と比較し、まとめるとこのようになります。
四足歩行から二足歩行へ→脳の発達→人の成長の垂直化→下顎の位置が不安定になる→
下顎を前に出して咬む人もいれば下顎を後ろに下げて咬む人もいる(下顎の適応性)→
下顎の成長方向やかみ合わせが人それぞれで変わり、バリエーションができる→
歯列不正の原因
といった形です。
私たちの矯正治療はこの下顎の成長方向のコントロールを目的に行っています。
また、大人の方でも顎の位置の適正化を行っています。
マウスピース矯正について
ブラケットやワイヤーを使用せずに、透明なマウスピース型の装置を装着して
歯を動かしていく矯正方法です。
目立ちにくい、取り外しができるといった特徴があり、手軽に始められることから
近年日本では需要が高まっています。
メリット・デメリットについて
メリット
・目立ちにくい
透明なので周囲の人に気づかれにくいです。
人前に出るお仕事をされている方にはおすすめです!
・取り外しが可能
ご自身で取り外しができるので、
普段通りにお食事をすることができます。
また、歯ブラシやフロスの邪魔にならない為しっかり磨くことができ、
虫歯や歯周病のリスクを軽減することができます。
・金属アレルギーの心配がない
当院で取り扱っている、
「クリアコレクト」と「インビザライン」
という種類のマウスピースは、ポリウレタン製(ゴムのような伸縮性を持つプラスチック素材)で金属は含まれていません。
デメリット
・一日20時間以上の装着が必要。
マウスピース矯正は、マウスピースを装着することによって効果が出ます。
基本的に食事や歯磨きの時以外は装着していただく必要があります。
取り外しができるという大きなメリットがありますが、
患者様の努力により治療効果に差が出てしまうというのがデメリットの一つです。
・適応症例に限りがある
重度の叢生(そうせいと読み、凸凹の歯並びのことです)の場合、
抜歯が必要な場合、アゴの骨格に問題がある場合などの
難しい症例には対応ができません。
~対応できる症例~
◎叢生(乱杭歯)
歯が重なり凸凹になっている歯並びのことです。
◎上顎前突(出っ歯)
上の前歯が前方に突出している歯並びのことです。
◎空隙歯列(すきっ歯)
歯と歯の間に隙間が空いている歯並びのこと。
◎開咬(オープンバイト)
前歯が噛んでいない歯並びのことです。
◎過蓋咬合(ディープバイト)
咬み合わせが深く、下の前歯がほとんど見えない歯並びのことです。
◎交差咬合(クロスバイト)
奥歯のかみ合わせが上下反対に噛んでいる歯並びのことです。
治療の流れについて
①治療相談
お顔やお口の中のお写真、歯全体が写るレントゲン写真(パノラマ撮影)をとります。
その後に歯並びや顔貌を見てどこが気になるのかを一緒に確認させていただきます。
②検査
模型の型取り、
レントゲン撮影(セファロ・CT)、
虫歯や歯周病のチェック
をして、検査。診断に必要な資料取りをさせていただきます。
③診断結果の説明
模型・写真・レントゲン写真を使い、現状や治療内容・期間についてご説明させていただきます。
④口腔内スキャナーでの型取り
口腔内スキャナーを使用し、3Dの型取りを行いマウスピースを作成していきます。
治療開始
後日出来上がったマウスピースを受け取り、治療が開始されます。
マウスピースの交換ペースについてや、
取り扱いの注意事項についてご説明させていただきます
治療を開始したら定期的に来院していただき、
こちらでマウスピースの点検や調整をしていきます。
マウスピース矯正の種類について
当院では「クリアコレクト」と「インビザライン」の二種類を採用しています。
「クリアコレクト」
クリアコレクトを提供するメーカーは、
インプラントシェアNO.1のStraumann(ストローマン社)です。
他のマウスピースに比べて目立ちにくい
装着時のフィット感が強い
「インビザライン」
インビザラインを提供するメーカーは、
マウスピース型矯正装置のパイオニア企業である
アメリカのアライン・テクノロジー社です。
世界シェアNO.1で、適応症例が最も多いことが特徴です。
インビザラインGo
インビザラインは歯列全体を対象とした矯正装置に対し、
インビザラインGoは前歯部を対象にした矯正装置です。
2つの違いについてですが、
マウスピースの形状やアタッチメントなどに少し違いはありますが、
治療方法や効果についてはさほど変わりはありません。
当医院の矯正のホームページ:非抜歯矯正サイト
【参考文献】
ClearCorrect | クリアシンプルFriendly (straumann.com)
【公式】インビザライン|インビザライン ・ジャパン株式会社 (invisalign.co.jp)