口腔機能発達不全症

歯に関するブログ 2023年10月02日(月)

こんにちは!歯科医師の市川です 😀

突然ですが、みなさんは「口腔機能発達不全症」という言葉を聞いたことがありますか?

あまり馴染みのない言葉なので知らない方がほとんどだと思います。

今回は「口腔機能発達不全症」がどいったものなのか簡単にお話していこうと思います。

 

☆口腔機能発達不全症とは

 

病気や障害がないにもかかわらず、食べたり、話したりするために必要な
お口まわりの筋肉が十分に発達せず、正常に機能していない状態を指します。

その状態を放置してしまうと、顎の成長が阻害されて歯並びや噛み合わせが悪くなったり、
気道が狭くなり口呼吸(※鼻呼吸が正常な状態)になったり、
十分に栄養を摂取できなかったりと全身に悪影響を及ぼします。

顎の成長 口呼吸 噛み合わせ

☆チェックリスト

 

「口腔機能発達不全症」のチェックリストは

「食べる機能」
「話す機能」
「その他の機能」

と3つの項目から診断していきます。

 

◎離乳完了前

 

〈食べる機能〉
・哺乳に関して先天性歯(生まれた時から生えている歯や生後1か月以内に生えた歯)があるか、
唇や歯槽(歯を支えている骨)の形態に異常があるか、
舌小帯(舌の裏側にあるひだ)に異常があるか、
乳首をしっかり口に含められるか、授乳時間が長すぎたり短すぎたりしないか、
哺乳量・授乳回数が多すぎたり少なすぎたりムラがあるか

・離乳に関して首の据わりが確認できない、スプーンを舌で押し出す、離乳が進まない

〈話す機能〉
・構音(発音)機能に関して安静時に口がポカンと開いているか

〈その他の機能〉
・栄養(体格)に関して痩せまたは肥満であるか ※体重(g)と身長(㎝)で
評価・その他に関して口まわりに過敏があるか

◎離乳完了後

 

〈食べる機能〉
・咀嚼(噛む)に関して歯の生え変わりに遅れがあるか、
歯列や噛み合わせの異常があるか、噛むのに影響する虫歯があるか、
強く嚙みしめられない、噛む時間が長すぎたり短すぎたりしてないか、
左右均等に噛めているか・嚥下(飲みこみ)に関して舌を前に突き出す癖がみられるか

・食行動に関して哺乳量・食べる量、回数が多すぎたり少なすぎたりとムラがあるか

〈話す機能〉
・構音(発音)に関して発音に障害があるか、安静時に口がポカンと開いているか、
口腔習癖(指しゃぶりや舌を前に突き出す等)があるか、
舌小帯(舌の裏側にあるひだ)に異常があるか

〈その他の機能〉
・栄養(体格)に関して痩せまたは肥満であるか ※体重(g)と身長(㎝)で評価

・その他に関して口呼吸があるか、扁桃腺が肥大していないか、
寝ている時にいびきをかいているか

〈口唇閉鎖力検査〉
測定機器を使って口の閉じる力を測定。
口を閉じる力 口唇閉鎖力検査
「食べる機能」「話す機能」において2つ以上該当すると
「口腔機能発達不全症」と診断されます。

☆治療
上記のチェックリストを行い、こちらで診断させていただきます。
歯並びや噛み合わせの異常があれば、矯正の説明やご希望があれば
お写真やレントゲン写真などの資料どりをさせていただき、矯正検査を行います。

また、舌や唇がうまく機能していない場合は、ガムを使ったトレーニングや
口を閉じるトレーニングを行い、定期的に歯科医院で管理していきます。
唇を閉じる ガムトレーニング 口腔機能発達不全症

「口腔機能発達不全症」は食事・栄養面も密接に関連しています。

当院では管理栄養士もおりますので、
栄養指導や食生活についてわからないことがあれば対応することが可能です。
予防歯科 管理栄養士のいる歯科

いかがだったでしょうか。
少しでも気になったり、わからないことがあれば気軽にご相談ください。

ご予約は24時間受付のこちらからどうぞ!

【参考文献】 ・document-220512-1.pdf (jads.jp)
・リットレメーターMedical|トレーニング|オーラルアカデミー (oral-academy.com)