前歯のジルコニアセラミック症例①

歯に関するブログ 2025年06月28日(土)

今回は、ジルコニアセラミックによって前歯の見た目を改善した症例をご紹介します。あわせて、前回に続き「硬質レジン前装冠」との比較を交えながら、ジルコニアセラミックの特徴についても解説いたします。

症例紹介:ジルコニアセラミックによる前歯の審美治療

初診時の状態

治療前 ビフォー 審美歯科


患者様の主訴は、「右上の前歯(1番)に線があるし、他の歯と比べて浮いて見える。」というものでした。

前歯破折 亀裂線 保険の前歯

診察してみると、右上1番には破折線が確認され、周囲の補綴物(硬質レジン前装冠)との色味が合っておらず、違和感が目立っていました。

治療計画のご提案

以下のような治療プランを検討しました:

① 右上1番のみCR(コンポジットレジン)修復

・破折線に沿って歯を最小限に削り、CRで補修する方法です。
・保険適用で行え、歯の削る量が少ないのがメリットです。
・ただし、隣の硬質レジン前装冠との質感の違いや色味は解消されません。

② 右上1番のみ硬質レジン前装冠に変更

・隣の歯と同じ素材(硬質レジン)でクラウンを作成する方法です。
・保険適用で行え、質感の統一が可能です。
・ただし、歯を全周削る必要があり、健康な歯質の切削量が多くなります。
・また、経年劣化によるレジンの変色や、将来的なメタルタトゥーのリスクもあります。
・審美目的というよりは、機能回復が主な目的の治療だと考えています。

③ 右上1番のみジルコニアセラミッククラウン

・天然歯に近い透明感や色調の再現が可能です。
・金属を使わないため、歯ぐきの変色リスクもありません。
・ただし、自費診療で当院では費用は99,000円(税込)です。
・また、隣在歯とは材質が異なるため、質感に差が出る場合があります。

④ 前歯4本をすべてジルコニアセラミッククラウンに変更

・右上2、左上1、左上2を含む前歯4本すべてをジルコニアにする方法です。
・材質をそろえることで、見た目の統一感が得られます。
・費用は1本99,000円、合計396,000円(税込)となります。

まずは侵襲性の低い①のCR修復からスタートし、仕上がりに満足できない場合には②や③のクラウンを検討する方向でご提案しました。

患者様と相談の結果、はじめから③の「右上1番をジルコニアセラミッククラウンで修復する」治療に決定しました。

最後に

当院では、患者様一人ひとりのお悩みに合わせて、複数の治療法をご提案しながら一緒に治療計画を立てています。

「こうしなければならない」という正解はありません。
あなたにとって最適な治療方法を、一緒に考えていきましょう。
まずはお気軽にご相談ください。

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