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矯正治療に年齢制限はある?適切な開始時期と効果について

歯に関するブログ 2025年10月23日(木)

「歯並びが気になるけれど、もう年齢的に矯正は難しいのでは?」

このような不安を抱える方は少なくありません。矯正治療と年齢の関係について、多くの誤解が存在しているのが現状です。結論から言うと、矯正治療に絶対的な年齢制限はありません。何歳からでも歯を動かすことは可能なのです。

しかし、年齢によって治療方法や効果、期間には違いがあります。特に子どもの矯正と大人の矯正では、アプローチが大きく異なります。

矯正治療の最大の違いは「顎の成長」を利用できるかどうかにあります。子どもの顎は成長途上であり、この成長をコントロールすることで理想的な歯並びへと導くことができます。一方、大人の場合は顎の成長が止まっているため、別のアプローチが必要になるのです。

では、具体的にどのような年齢で矯正治療を始めるのが理想的なのでしょうか?また、大人になってからでも効果的な矯正は可能なのでしょうか?

小児矯正の適切な開始時期

小児矯正は大きく分けて「第一期治療」と「第二期治療」に分けられます。

第一期治療は、永久歯が正しい位置に生えるように顎の成長を促す矯正です。この時期は顎の骨が柔らかく成長途上であるため、顎の発達をコントロールしやすいという大きなメリットがあります。

では、第一期治療はいつから始めるべきなのでしょうか?これには子どもの歯並びの状態によって違いがあります。

受け口の場合は3歳頃から

受け口(下顎前突)の場合は、できるだけ早く対応することが望ましいとされています。

受け口は顎周りの骨格的な問題である場合が多く、放置すると骨格のゆがみが大きくなり、顎関節症や不正咬合になるリスクがあります。また、自然に改善する可能性は低いため、早期の対応が重要です。

顎の骨がまだ柔らかく、成長を正しく促しやすい3歳頃から治療を始めることが理想的です。ただし、検査や診断のためには子どもの協力が必要なため、歯科医院に慣れ親しむことも大切になります。

もちろん、4歳や5歳から始めても遅すぎるということはありません。お子さんの状態に合わせて適切な時期を歯科医師と相談しましょう。

その他の歯並びは6歳頃から

受け口以外の歯並びの問題については、一般的に6歳頃から治療を開始するのが適切です。

この時期は前歯と第一臼歯(奥歯)が永久歯に生え変わる時期にあたります。永久歯が生え始めるこの時期に矯正を始めることで、永久歯が正しい位置に生えるようにコントロールできます。

ただし、子どもの成長には個人差があります。6歳になっても永久歯が生え変わっていないケースや、5歳頃にすでに永久歯が生え始めているケースもあります。そのため、定期的に歯科医院で検診を受け、お子さんの歯の状態を観察しながら、適切な開始時期を判断することが大切です。

また、女性は男性よりも顎の成長が早い傾向があります。これは体の発育が早いのと同様に、顎の成長も早く進むためです。そのため、女性の場合はやや早めに治療を開始することが推奨されることもあります。

第二期治療と成人矯正

第二期治療は、永久歯がほぼ生え揃う12歳頃から開始する矯正治療です。この時期になると、成人と同じような矯正アプローチが可能になります。

第一期治療を受けていない場合でも、第二期治療から始めることは可能です。ただし、顎の成長をコントロールする機会を逃しているため、抜歯が必要になるケースが増える傾向があります。

では、成人の矯正治療にはどのような特徴があるのでしょうか?

成人矯正の特徴と効果

成人矯正では、顎の成長が止まっているため小児矯正のように顎の成長を利用した治療はできません。

しかし、歯を動かすこと自体に年齢制限はないため、何歳からでも矯正治療は可能です。実際に、30代、40代、さらには60代、70代で矯正治療を始める方も少なくありません。

成人矯正には以下のような種類があります:

  • ブラケット矯正:最も主流な歯に矯正器具を固定してワイヤーの力を利用する矯正方法です。歯につける器具には金属や透明な素材を用いたタイプなど、様々な選択肢があります。
  • 裏側矯正:歯の裏側に矯正装置を装着するため、外からは目立ちにくい治療法です。
  • マウスピース矯正:透明で薄いマウスピースを使用し、取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際に不便さを感じにくいのが特徴です。

成人矯正のメリットは、見た目の改善だけではありません。正しい歯並びは、むし歯や歯周病の予防、発音の改善、肩こりや頭痛の予防など、健康面でも多くのメリットをもたらします。

ただし、成人矯正では抜歯が必要になるケースが増える点に注意が必要です。顎の成長が止まっているため、歯を動かすスペースを確保するために抜歯が必要になることがあるのです。

非抜歯矯正の可能性と限界

「できるだけ歯を抜きたくない」

これは多くの患者さまが持つ自然な願いです。当院では「なるべく歯を抜かない矯正治療」を推奨しています。矯正システム「「MEAW(Multiloop Edgewise Arch Wire)」」を採用し、従来の矯正治療で一般的だった抜歯を極力避ける方針を打ち出しています。

しかし、非抜歯矯正には適応条件があります。すべてのケースで非抜歯矯正が可能というわけではないのです。

非抜歯矯正が可能なケース

非抜歯矯正が可能かどうかは、主に以下の要素によって決まります:

  • 顎のサイズと歯のサイズのバランス
  • 歯並びの状態(叢生の程度)
  • 顎の成長の余地(小児の場合)
  • 口元の突出度

成人の場合は顎の成長が止まっているため、非抜歯矯正の適応範囲が狭くなります。高校生以上の年齢では、一般的な矯正治療においては抜歯が必要なケースが8〜9割を占めるとされています。

しかし、最新の矯正技術では、成人でも非抜歯矯正の可能性が広がっています。例えば、奥歯を後方に移動させてスペースを確保する方法や、顎を横に拡げる方法などがあります。

無理な非抜歯矯正のリスク

非抜歯矯正を強く希望する気持ちは理解できますが、無理に非抜歯で治療を進めることにはリスクもあります。

歯のスペースが足りない状態で無理に歯を並べようとすると、前歯が前に出てしまう「フレアアウト」と呼ばれる状態になることがあります。これにより、口元が突出して審美的に好ましくない結果になる可能性があります。

また、無理に歯を詰め込むことで、歯根が近接し、将来的に歯周病のリスクが高まる可能性もあります。

矯正治療において大切なのは、「抜歯か非抜歯か」ではなく、患者さま一人ひとりの状態に合わせた最適な治療法を選択することです。長期的な口腔健康と審美性を考慮した上での判断が最も重要になってきます。

矯正治療の効果と期間

矯正治療の効果は年齢によって異なるのでしょうか?また、治療期間はどのくらいかかるのでしょうか?

年齢による効果の違い

矯正治療の効果自体は年齢に関わらず得られます。しかし、年齢によって治療のアプローチや期間、結果に違いが生じることがあります。

小児矯正では、顎の成長を利用できるため、骨格的な問題も改善できる可能性が高くなります。また、若い組織は反応が早いため、歯の移動もスムーズに進むことが多いです。

一方、成人矯正では骨格的な変化は限られますが、歯並びの改善による審美性や機能性の向上は十分に期待できます。ただし、組織の反応が若年者に比べてやや遅いため、治療期間が長くなる傾向があります。

治療期間の目安

矯正治療の期間は、症例の複雑さや治療法によって大きく異なります。一般的な目安は以下の通りです:

  • 小児矯正(第一期治療):3年~4年半程度
  • 第二期治療・成人矯正:1年半〜2年半程度
  • 複雑なケース:3年以上かかることもあります

治療期間は個人差が大きいため、正確な期間は歯科医師による診断後に判断されます。また、患者さま自身の協力度(装置の装着時間や定期的な通院など)によっても変わってきます。

矯正治療は一度で終わりではなく、治療後も「保定期間」と呼ばれる期間があります。この期間は、動いた歯が元の位置に戻らないよう、保定装置を装着して安定させる大切な時期です。保定期間は一般的に1〜2年程度ですが、場合によってはそれ以上の期間が必要になることもあります。

まとめ:矯正治療と年齢の関係

矯正治療に絶対的な年齢制限はありません。何歳からでも歯を動かすことは可能です。しかし、年齢によって治療のアプローチや効果、期間には違いがあります。

小児矯正の適切な開始時期は、歯並びの状態によって異なります:

  • 受け口(下顎前突):3歳頃から
  • その他の歯並び:6歳頃(永久歯が生え始める時期)から

第二期治療は12歳頃から開始し、成人と同様のアプローチで治療を行います。成人矯正では顎の成長を利用できないため、抜歯が必要になるケースが増えますが、最新の矯正技術により非抜歯での治療の可能性も広がっています。

矯正治療を検討する際に大切なのは、「今からでも遅くないか?」と悩むよりも、まずは臨床経験の豊富な医師に相談することです。登戸グリーン歯科・矯正歯科、登戸クローバー歯科・矯正歯科では、矯正システム「「MEAW(Multiloop Edgewise Arch Wire)」」を採用し、なるべく歯を抜かない矯正治療を推奨しています。

また、マウスピース矯正も提供しており、子どもから大人まで幅広い年齢層の矯正ニーズに対応しています。歯並びでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

矯正治療は単に見た目を改善するだけでなく、噛み合わせの改善による顎関節症の予防、歯磨きがしやすくなることによる虫歯・歯周病の予防など、口腔健康全体に良い影響をもたらします。「矯正したい」と思った時が、始める最適なタイミングです。

詳細については、登戸クローバー歯科・矯正歯科までお気軽にお問い合わせください。あなたに最適な矯正治療プランをご提案いたします。

歯科医師 鈴木花

東京歯科大学卒業

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