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歯科医が教える効果的なフロスの使い方〜正しい手順と注意点

歯に関するブログ 2025年12月17日(水)

フロスが歯の健康に欠かせない理由

毎日歯ブラシで丁寧に磨いているのに、なぜか虫歯や歯周病が改善しない。そんな経験はありませんか?

実は、歯ブラシだけでは歯の表面の約60%しか清掃できていないことをご存知でしょうか。残りの40%、特に歯と歯の間の汚れは歯ブラシの毛先が届かず、そのまま放置されてしまうのです。この磨き残しが虫歯や歯周病の温床となります。

歯間部のケアをしっかり行っている方としていない方では、口腔内の健康状態に明らかな差があります。特に日本人は歯並びが密集していることが多く、歯間ケアの重要性は欧米以上に高いと言えるでしょう。

厚生労働省による平成28年の歯科疾患実態調査では、デンタルフロスや歯間ブラシを用いて歯や口の清掃を行っている人の割合は30.6%程度だったのに対し、令和6年に行われた歯科疾患実態調査では63.4%になり徐々に歯ブラシ以外の清掃器具の利用率が上がってきています。ただまだ欧米諸国に比べると低い水準です。

アメリカでは「floss or die(フロスを使うか、死ぬか選べ)」という言葉があるほど、デンタルフロスの使用が重視されています。極端な表現ですが、それだけフロスが口腔健康に重要だということです。

デンタルフロスの種類と選び方

デンタルフロスには大きく分けて「ホルダータイプ」と「ロールタイプ」の2種類があります。それぞれ特徴が異なるので、自分に合ったものを選ぶことが大切です。

ホルダータイプは持ち手があり、すぐに使えるので初めての方に向いています。さらに「F字型」と「Y字型」があり、F字型は前歯に、Y字型は奥歯にも前歯にも使いやすいという特徴があります。

一方、ロールタイプは必要な長さを切って指に巻きつけて使用します。最初は扱いにくく感じるかもしれませんが、慣れると操作性が良く、経済的です。

ロールタイプにはさらに「ワックスタイプ」と「ノンワックスタイプ」があります。ワックスタイプは繊維がワックスでコーティングされており、歯間に挿入しやすく、フロスが切れたりバラバラになりにくいのが特徴です。詰め物をしている方にもおすすめです。

ノンワックスタイプは繊維がワックスで固められていないため、繊維が広がって歯の表面にフィットし、歯垢除去効果が高いと言われています。ただし、引っかかると切れたりほつれたりしやすいので、大きな詰め物がない方に向いています。

どうですか?あなたのお口の状態に合ったフロスが見えてきましたか?

効果的なフロスの使い方〜ホルダータイプ編

まずはホルダータイプの使い方を詳しく解説します。初めての方でも簡単に使えるのがこのタイプの最大の魅力です。

ホルダータイプは以下の3つのステップで使用します。

  • デンタルフロスを歯と歯の間に入れる
  • 上下に動かして歯垢を除去する
  • 横にスライドしながら取り出す

まず、鏡を見ながら歯と歯の間にフロスの糸の部分を当てます。ここで重要なのは、力まかせに押し込まないことです。前後に小さく動かしながら、ゆっくりと歯間に入れていきましょう。

歯間に入ったら、歯の面に沿わせるようにフロスを当て、上下に2〜3回動かして歯垢を除去します。このとき、隣り合った両方の歯の面を清掃することを忘れないでください。

最後に、横に小さく動かしながらゆっくりと取り出します。急に引き抜くと歯肉を傷つける恐れがあるので注意しましょう。

奥歯は見えにくく手が届きにくいので、Y字型のホルダーを使うと操作しやすいですよ。

効果的なフロスの使い方〜ロールタイプ編

次にロールタイプの使い方です。こちらは慣れるまで少し練習が必要ですが、指先の感覚で歯の状態を確認できるメリットがあります。

ロールタイプは以下の手順で使用します。

  • 約40cm(肘までの長さが目安)のフロスを切り取る
  • 両手の中指に2〜3回巻きつけ、親指と人差し指で15cmほどの部分を操作できるようにする 
  • 糸を摘まんで指と指の間が2cmくらいになるように持つ
  • 歯と歯の間に前後に小さく動かしながらゆっくり入れる
  • 歯の面に沿わせて上下に動かし歯垢を落とす
  • 横に動かしながらゆっくり取り出す

ロールタイプを使う際のポイントは、片方の中指にフロスを多めに巻いておき、使用後は新しい部分にずらして使うことです。これにより、清潔な部分で次の歯間を掃除できます。

奥歯にフロスを使う場合は、人差し指を使って奥まで届かせるようにするとやりやすいでしょう。慣れないうちは鏡を見ながら行うことをおすすめします。

もし歯間からフロスがうまく取り出せない場合は、無理に引き抜かず、一方の指のフロスを外して外側に引き抜くようにしましょう。フロスが引っかかったりほつにれたりする場合は、虫歯や歯石、詰め物の不具合がある可能性があるので、歯科医院での確認をおすすめします。

フロスを効果的に使うための3つの注意点

フロスの効果を最大限に引き出すためには、いくつかの注意点があります。これらを守ることで、お口の健康維持に大きく貢献します。

1. 歯肉を傷つけないように使用する

フロスを使う際に最も気をつけたいのは、歯肉を傷つけないことです。力まかせに押し込んだり、急に引き抜いたりすると歯肉を傷つける恐れがあります。

特に初めて使う方は出血することがあるかもしれませんが、これは歯肉に炎症がある証拠です。正しい方法で継続すれば、1〜2週間程度で出血は収まってくるでしょう。それでも出血が続く場合は歯科医院での検査をおすすめします。

2. 1日1回の頻度で就寝前に使う

フロスは少なくとも1日1回、できれば就寝前に使用するのが理想的です。なぜなら睡眠中は唾液の分泌量が減り、自浄作用が低下するため、就寝前にしっかり清掃しておくことが重要だからです。

「毎食後に使った方がいいのでは?」と思われるかもしれませんが、1日1回でも継続することが何よりも大切です。無理なく続けられる習慣を作りましょう。

3. 毎回新しい部分を使用する

一度使用した部分のフロスには歯垢や細菌が付着しています。同じ部分を使い回すと、口腔内に細菌を広げてしまう恐れがあります。

ロールタイプの場合は、使用後に新しい部分にずらして使いましょう。ホルダータイプは1回使用したら新しいものに交換するのが理想的です。

フロスと歯間ブラシの使い分け

「フロスと歯間ブラシ、どちらを使えばいいの?」という質問をよく受けます。結論から言うと、歯間の状態に合わせて使い分けるのがベストです。

歯と歯の間が狭い場合はフロスが適しています。歯並びを見たときに歯と歯の間にあまり隙間がないように見える方は、フロスを選びましょう。

一方、歯間が広い場合や歯周病が進行して歯間が開いてきた場合は、歯間ブラシの方が効果的です。また、ブリッジをしている方も歯間ブラシでプラークを除去しやすいでしょう。

実は、歯ブラシとフロスを併用することで歯間部の歯垢除去率が1.5倍にアップするという研究結果があります。さらに歯間ブラシも使うと、95%まで除去率が上がるとの報告もあります。

お口の状態に合わせて、適切なケアツールを選びましょう。迷った場合は、かかりつけの歯科医師や歯科衛生士に相談することをおすすめします。

フロスが口臭予防にも効果的な理由

フロスは虫歯や歯周病の予防だけでなく、口臭対策にも非常に効果的です。なぜなら、口臭の主な原因は歯垢や食べかすに含まれる細菌が出す揮発性硫黄化合物だからです。

歯ブラシでは取り除けない歯間部の歯垢や食べかすをフロスでしっかり除去することで、口臭の原因そのものを減らすことができます。特に歯間に食べ物が詰まりやすい方は、フロスの使用で口臭が劇的に改善することも少なくありません。

実際、使用後のフロスの臭いを嗅いでみると、自分の口臭の状態がわかることもあります。もし使用したフロスから強い臭いがする場合は、口臭がしている可能性が高いでしょう。

口臭が気になる方は、まず歯間ケアを徹底してみてください。それでも改善しない場合は、舌苔(舌の表面に付着する白い汚れ)や歯周病など、他の原因が考えられますので、歯科医院での検査をおすすめします。

まとめ:フロスで健康な歯を守ろう

フロスの効果的な使い方について解説してきましたが、いかがでしたか?

歯ブラシだけでは取り除けない歯間部の歯垢をフロスでしっかり除去することで、虫歯や歯周病、口臭の予防につながります。種類は大きく分けてホルダータイプとロールタイプがあり、それぞれ特徴が異なるので自分に合ったものを選びましょう。

使用する際は、歯肉を傷つけないようにゆっくりと丁寧に行い、1日1回の頻度で継続することが大切です。また、歯間の状態に合わせてフロスと歯間ブラシを使い分けることで、より効果的なお口のケアが可能になります。

「2度と歯で困らない歯科治療」を目指す私たちは、予防歯科に力を入れています。フロスの使い方でお悩みの方は、ぜひ登戸クローバー歯科矯正歯科にご相談ください。あなたのお口の状態に合わせた、最適なケア方法をアドバイスいたします。

健康な歯は健康な体の入り口です。毎日のちょっとした習慣で、生涯自分の歯で食事を楽しめる未来を手に入れましょう。

詳しい情報や診療のご予約は、登戸クローバー歯科矯正歯科までお気軽にお問い合わせください。

歯科医師 鈴木花