無意識のうちに歯ぎしりをしていませんか??

歯に関するブログ 2023年08月21日(月)

こんにちは!歯科医師の内田です 😀

今日は歯ぎしりについてお話させていただきます!

 

人はどうして歯ぎしりをするのでしょうか?

 

【皆さんは歯ぎしりをしていますか?】

歯ぎしり 食いしばり 朝起きると顎が痛い

歯ぎしりをしている。と答えた方は
夜寝ているときに歯ぎしりをしている人が多いのではないでしょうか。

また、漫画やアニメで悔しがっている描写で
歯をぎりぎりとかみしめているというのもありますね。

歯科医院で

「歯ぎしりをしていますか?」

と聞くと体感として半々くらいでしている方としていない方がいるように思います。

 

数年前のテレビ番組でこのような企画がありました。

 

「自分は歯ぎしりをしたことがない!」という10人を集めました。

この人たちに歯ぎしりをしたところに印が付く
マウスピースをつけてもらい、一晩寝ます。

次の日の朝マウスピースを確認すると
10人中10人全員が歯ぎしりをしていたのです!! 😯

どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。

 

実は、歯ぎしりにはさまざまな種類があり、音が出るものと出ないものがあるのです。

まずは上下の歯をカチカチと咬むタッピング
ぎゅっとかむだけで音がしないクレンチング
上下の歯を左右に大きく動かすグライディング

 

某大学でよく歯ぎしりをするという女性の筋電図の調査があります。

まず起きている段階で歯ぎしりをしてもらいました。
歯には91kgの力がかかっていましたが音が出ていません。

次に寝ているときに音が出ている歯ぎしりをしていました。
この段階で筋電図を見てみると121㎏の力がかかっていました。

起きているときに比べて寝ているときの方が歯におおきな力がかかっていたのです・・!!

起きているときは脳からの指令で咬む力をコントロールしています。
寝ているときは無意識で咬んでいるので力のコントロールができていないのです。

 

ではどうして人は歯ぎしりをするのでしょうか。

 

前述の某大学の若い先生を被験者にして行った調査があります。

初日はいつも通りの生活をしてもらいました。
夕飯は彼の大好きなエビフライ。
寝るときもふかふかの布団で眠ってもらいます。

次の日、日中は前日と変わらずいつも通り過ごしてもらいます。
今日の夕飯は彼の大嫌いなグリーンピースの混ぜご飯とグリーンピースのスープ。
加えて食後には苦手なホラー映画を2時間観てもらいました。
寝るときは固くて寝心地の悪い布団できうる限りの不快な状況を作っています。

初日と次の日で筋電図を測り、どのくらいの力で歯ぎしりをしているか比べたところ、
初日に比べて次の日は3倍の力で歯ぎしりをしていることが分かりました。

不快な状況では3倍の力がかかっている
つまりストレスかかかると強い力で歯ぎしりをしているということです。

日中の食べ物をかんでいるときは強い力を理性で抑制していることを表しています。
日中のストレスを夜寝ているとき理性で抑制されていない歯ぎしりで解消しているのです。

ストレスホルモンと呼ばれているアドレナリンやコルチゾールの血中濃度が
歯ぎしりによって減少しているというデータもあります。

現に、歯ぎしりで顎が痛くなるのは特に中高生が多いようです。

勉強のストレスを歯ぎしりによって発散しているのでしょうか・・ 😥

また、ストレスで何かつらいことがあったら30秒程度ギュッとかみしめてみましょう。
少し楽になるかもしれません

歯科では歯のケアをいくら行っても予防できないことがあります。

差し歯がとれたり、ブリッジがこわれたり歯が割れてしまい
最悪の場合歯を失うことになります。
これらには歯ぎしりがかかわっていることがあります。

歯ぎしりは病気ではありません。

むしろストレスの解消のために必要不可欠な行動です。
しかし自分の歯に負担をかけるという矛盾が生じています。
これには歯ぎしりに耐えられないかみ合わせが原因になっていることもあります。
最近の研究では歯が壊れやすいかみ合わせもわかってきています。

虫歯や歯周病の予防に加えて快適な歯ぎしりができるかみ合わせが大事になるのです。

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