前歯のジルコニアセラミック症例②
以前紹介した前歯のジルコニアセラミッククラウンを被せる症例の実際の治療の流れをご紹介します。
補綴をするにあたって来院する回数や期間、などを順をおって紹介します。
症例紹介:前歯の審美性向上のためのジルコニアセラミック治療
40歳・治療回数5回・治療費用40万円(4本分)・リスクと副作用:治療中は仮の歯でお過ごしいただくので、外れる場合があります。再度接着できますのでなくさないようにしてご連絡ください。接着後や治療後は飲食を控えていただく場合があります。
初診時の状態

1日目 1時間
①資料採り
削り始める前に天然歯の状態を技工士さんに参考にしてもらうために治療前の写真と模型をとります。
②麻酔
神経が生きている歯の場合は行います。
③歯冠形成
歯肉近くのマージンをしっかり出します。
④仮歯の作製
既成のものからレジンで調整するため色味は基本的には選べません。
*あくまでも仮歯なので前歯でものを引きちぎるなど、強く力をかけるようなことは避けてください。
*1回目で印象をしないのは生活歯を削っているので神経症状が出ないかチェックする目的と歯肉近くを安静にする目的があります。
2日目 30分〜1時間
①麻酔、仮歯の除去
②形成の修正
③歯肉圧排
型取りをする時に歯肉と歯のラインを出すために行います。
④印象採得
精密印象を行うためシリコンで行います。
⑤シェードテイキング
患者様と鏡を見ながら歯の色味表を使って、どの色にするか検討します。
さらに技工士さんに伝わるよう写真を撮ります。
⑥仮歯修復、仮着
3日目 30分
①仮歯の除去
②色味の確認
実際に口腔内に入れた状態で患者様に色味を見てもらいます。
気になることがある場合は必要に応じて再作製を技工所にお願いします。
③クラウンの調整
隣接部や咬合面の調整を行います。
④合着
必要に応じて歯肉圧排をして接着を行います。
セットする前に最終チェックを患者様と鏡で行います。
*治療後30分は飲食を控えてもらいます。
右上1のジルコニアセラミック装着

治療後、患者様はジルコニアセラミックの自然な色調と質感に大変満足されました。
を
この時点では、他の3本は硬質レジン前装冠のままでしたが、「他の3本も同じようにしたい」とのご希望がありました。
そこで、右上2・左上1・左上2もジルコニアセラミックに変更する治療を進めることになりました。
最終仕上がり

4本すべてをジルコニアセラミックに統一したことで、歯の色調や形態が自然に調和し、美しい仕上がりとなりました。
ジルコニアセラミックは硬質レジン前装冠に比べて変色しにくく、耐久性にも優れているため、長期的な安定も期待できます。
また金属が透けて暗くなっていた歯肉もセラミックにすることで自然な色味になりました。
患者様からは、
「自然な仕上がりでとても満足!もっと早くやればよかった!」
とのお言葉をいただきました。
今後の流れとしては
歯冠の亀裂や咬耗があることから、歯ぎしり・食いしばりによる咬合圧が強いことが考えられます。
そのためナイトガードというマウスピース(保険)を作製し、定期検診を行っていきます。

今回の症例では、最初は1本だけジルコニアセラミックにしたものの、仕上がりの美しさに満足され、最終的に4本すべてをジルコニアセラミックに変更されました。
「前歯の見た目をもっと綺麗にしたい」という方は、ぜひジルコニアセラミックの治療をご検討ください!
興味がある方は、お気軽にご相談ください。