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子供の歯並びと成長の関係〜将来の健康な歯列を育むポイント

歯に関するブログ 2025年12月29日(月)

子供の歯並びは、将来の健康に大きく影響します。歯並びが悪いと虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、咀嚼機能や発音、さらには顔の形成にも影響を与えることがあります。

私は長年にわたり小児歯科治療に携わってきましたが、子供の歯並びと顎の成長には密接な関係があることを日々の臨床で実感しています。

歯並びの問題は単なる見た目の問題ではなく、お子さまの一生の健康に関わる重要な課題です。早期発見と適切な対応が、将来の健康な歯列を育む鍵となります。

子供の歯の発育と成長の関係

子供の歯の発育は、生後6〜7ヶ月頃から始まります。最初に下顎の中央に乳歯が生えてきて、その後徐々に他の歯も生えてきます。

乳歯は全部で20本あり、2歳半頃までにほぼ生えそろいます。この時期の乳歯列には隙間があることが多いですが、これは将来永久歯が生えてくるためのスペースなので心配する必要はありません。

6歳頃になると乳歯の後ろに第一大臼歯(6歳臼歯)が生えてきます。そして乳歯が抜け落ち、永久歯に生え変わる「混合歯列期」に入ります。

この時期は顎が最も成長する大切な時期です。顎の成長と歯の発育がバランスよく進むことで、将来きれいな歯並びになる土台が作られるのです。

顎の発達は上顎と下顎で異なり、上顎は10歳頃までにほぼ成長し、下顎は18歳頃まで成長が続きます。この成長のタイミングや速度は個人差が大きく、遺伝的要因だけでなく、日常の習慣や環境要因にも影響されます。

歯並びが悪くなるとどうなるのでしょうか?

歯並びが悪く、重なってしまったり隙間が空いてしまったりした部分の歯磨きがしづらくなり口腔内の清掃性が悪くなります。口臭の他、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、噛み合わせの問題からくいしばった時などの歯にかかる力を正しく分散できず結果的に顎関節症を引き起こす原因になります。くちびるをしっかり閉じる事や舌の動きがスムーズでなくなることなどから発音に影響が出たりすることもあります。

歯並びに影響を与える生活習慣

子供の歯並びには、遺伝などの生まれつきの要因だけでなく、日常の習慣や食事の仕方、そして生活環境が大きくかかわります。特に注意したい習慣をいくつか紹介します。

口呼吸の影響

口呼吸は歯並びに悪影響を与える代表的な習慣です。本来、呼吸は鼻で行うものですが、アレルギー性鼻炎などで鼻づまりがあると、口で呼吸するようになります。

口呼吸を続けていると、舌の位置が下がり、上顎が狭くなったり、前歯が前に出たりする原因になります。また、口の中が乾燥して細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクも高まります。

お子さまが日中や寝ているときに口を開けていることが多い場合は注意が必要です。

指しゃぶりや爪噛みの習慣

指しゃぶりは3歳頃までは自然な行為ですが、4歳を過ぎても続くと歯並びに影響が出始めます。長期間続けると、上の前歯が前に出る「出っ歯」や、前歯で噛み合わない「開咬」の原因になることがあります。

爪噛みも同様に、前歯に圧力がかかり続けることで歯並びに悪影響を与えます。

これらの習慣は無意識に行われることが多いため、お子さま自身に意識させながら、少しずつ改善していくことが大切です。

食事の影響

現代の食生活は柔らかい食べ物が多く、顎を十分に使わないことが歯並びの悪化につながっています。

よく噛む習慣は顎の発達を促し、歯並びにも良い影響を与えます。特に子供の成長期には、適度に硬いものをしっかり噛んで食べることが重要です。

例えば、さつまいも、レンコン、にんじん、りんごなどの食物繊維を多く含む食べ物は、顎の発達を促す効果があります。

お子さまの食事は噛む回数が十分でしょうか?

子供の歯並びの問題と種類

子供の歯並びの問題にはいくつかの種類があります。それぞれの特徴と原因について説明します。

叢生(そうせい)

叢生は、歯が前後に重なり合ってガタガタに並んでいる状態です。一般的に「八重歯」もこれに含まれます。

主な原因は、顎のスペースに対して歯が大きすぎる場合や、顎の成長が十分でない場合に起こります。遺伝的な要因もありますが、口呼吸や舌の位置が低いなどの習慣も影響します。

叢生があると歯磨きがしづらくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、見た目の問題だけでなく、顔の骨格や全身のバランスにも影響を与えることがあります。

上顎前突(出っ歯)

上顎前突は、上の前歯が大きく前に出ている状態です。遺伝的な要因に加え、指しゃぶりや口呼吸、舌の使い方などの習慣が影響して起こります。

出っ歯になると、前歯が折れやすくなったり、滑舌が悪くなったりする影響があります。また、唇を閉じづらくなり、口呼吸の習慣がつきやすくなるという悪循環も生じます。

反対咬合(受け口)

反対咬合は、下の歯が上の歯より前に出ている状態です。遺伝的な要因が強いですが、舌の位置や使い方、姿勢なども影響します。

反対咬合があると、かみ切る動きなど噛み合わせの機能に問題が生じやすく、顎関節症になりやすいことが多いのです。また、顔の形にも影響を与え、横からみると下顎が前に出た印象になることがあります。鼻の下の骨がかみ合わせの刺激で育つ時間が少ないので、鼻の下から上唇までの部分がへこんでいる印象になります。

これらの問題は、早期に発見することが重要です。定期的な歯科検診で歯科衛生士と歯科医師から歯並びのチェックを受けることをお勧めします。

子供の歯並びを健やかに育むために

子供の歯並びを健やかに育むためには、日常生活での予防と対策が重要です。ここでは具体的な方法をご紹介します。

正しい口腔習慣の確立

まず大切なのは、正しい口腔習慣を小さい頃から身につけることです。

鼻呼吸を促すために、アレルギー性鼻炎などがある場合は適切な治療を受けましょう。また、舌の正しい位置(上あごの前部に軽く触れる位置)を意識させることも効果的です。

指しゃぶりや爪噛みなどの癖がある場合は、叱るのではなく、お子さま自身が意識できるようにサポートしましょう。褒めて励ますことで、少しずつ改善していくことができます。

噛む力を育てる食事

顎の発達を促すためには、しっかり噛む習慣が欠かせません。

食物繊維が豊富な野菜や果物、適度な硬さのある食材を取り入れ、よく噛んで食べる習慣をつけましょう。一口30回以上噛むことを目標にするとよいでしょう。

また、食事の際の姿勢も重要です。背筋を伸ばし、両足を地面につけて座ることで、正しい噛み合わせが促されます。

定期的な歯科検診と早期矯正

歯並びの問題は早期発見が重要です。定期的な歯科検診で、歯並びや顎の成長をチェックしましょう。

子供の矯正治療には、「第1期治療」と「第2期治療」があります。第1期治療は混合歯列期(6〜12歳頃)に行い、顎の成長を適切に導く治療です。第2期治療は永久歯列期に行い、歯並びや噛み合わせを整える治療です。

特に顎の成長が活発な時期に適切な治療を行うことで、将来的な歯並びの問題を予防できることがあります。

お子さまの歯並びに少しでも気になることがあれば、早めに歯科医師や歯科衛生士に相談することをお勧めします。

子供の歯並びが全身の健康に与える影響

歯並びの問題は、口腔内や顔貌(お顔の見た目)だけでなく全身の健康にも影響を与えることがあります。

咀嚼機能と栄養摂取

最初の消化器官である口腔内の歯並びが悪いと、食べ物を十分に噛み砕くことが難しくなります。咀嚼による刺激で唾液が十分に出て、食事の最初の分解が始まるほか、三叉神経にも刺激が伝わり、それによって体の他の部位に食事が体内に入る準備をはじめます。そのため十分に噛めないと消化不良を起こしやすくなります。

また、噛む回数が少ないと三叉神経から満腹中枢が刺激されにくくなり、食べ過ぎにつながることもあります。前述にもありますがしっかり噛むことで唾液の分泌が促され、胃から始まる消化器官の消化酵素の分泌も活発になり、小腸での栄養の吸収率も向上します。

子供の成長期には特に、よく噛むこととバランスの良い栄養摂取が重要です。歯並びを整えることは、健全な食習慣の基盤となります。

発音と言語発達

歯並びは発音にも大きく関わっています。特に前歯の位置が正常でないと、「サ行」や「タ行」などの発音が不明瞭になることがあります。

言語発達の重要な時期に発音に問題があると、コミュニケーション能力の発達にも影響を与える可能性があります。

私の臨床経験でも、歯並びを矯正したことで発音が改善し、お子さまの自信につながったケースを多く見てきました。

自己肯定感と心理的影響

歯並びは見た目にも影響するため、特に思春期以降は自己肯定感に関わる重要な要素となります。

歯並びに悩みを抱えると、人前で笑うことを躊躇したり、コミュニケーションに消極的になったりすることがあります。

逆に、歯並びが改善されることで自信を持ち、積極的に人と関わるようになるケースも多く見られます。

お子さまの健全な心理発達のためにも、歯並びの問題には適切に対応することが大切です。

まとめ:子供の歯並びを健やかに育むために

子供の歯並びと成長には密接な関係があり、将来の健康な歯列と強い身体を育むためには早期からの適切なケアが重要です。

日常生活では、歯みがきや仕上げみがき、フロスの使用などの正しいホームケア・口腔内の管理方法の確立、しっかり噛む食事の習慣、再石灰化を促すためにダラダラ食べやダラダラ飲みをしない、そして歯科衛生士による定期的な歯科検診が基本となります。また、指しゃぶりや口呼吸などの癖にも注意が必要です。

歯並びの問題は、単なる見た目の問題ではなく、咀嚼機能、発音、全身の健康、さらには心理的な側面(見た目の印象)にも影響を与えます。

お子さまの歯並びで気になることがあれば、早めに歯科医師や歯科衛生士に相談することをお勧めします。顎の成長が活発な時期に適切な対応をすることで、将来的な問題を予防できることがあります。

私たち登戸クローバー歯科・歯科矯正歯科では、お子さまの健やかな成長をサポートするために、一人ひとりに合わせた丁寧な診療を心がけています。お子さまの歯並びについてのご相談は、いつでもお気軽にお問い合わせください。

子供の歯並びを健やかに育むことは、将来の健康な生活の基盤となります。お子さまの笑顔のために、ぜひ早期からの予防と対策を心がけましょう。

詳しい情報や個別のご相談は、登戸クローバー歯科・矯正歯科までお気軽にお問い合わせください。お子さまの健やかな成長を一緒にサポートしていきましょう。

医療法人社団緑幸会 理事長 鈴木聡