矯正歯科の通院頻度と期間〜治療計画の全貌を解説

歯に関するブログ 2025年08月12日(火)

矯正歯科治療を検討されている方にとって、「どのくらいの期間がかかるのか」「通院はどれくらいの頻度で必要なのか」という疑問は非常に重要です。日々の生活や仕事のスケジュールに組み込むためにも、治療計画の全体像を把握しておきたいものですよね。

矯正治療は一般的に長期間にわたるため、治療を始める前に通院頻度や期間について正確に理解しておくことが大切です。そうすることで、ご自身の生活スタイルに合わせた治療計画を立てることができます。

この記事では、矯正歯科治療における通院頻度や治療期間について詳しく解説します。抜歯・非抜歯の選択がどのように治療計画に影響するのかについても触れていきますので、矯正治療を検討されている方はぜひ参考にしてください。

矯正歯科治療の基本的な流れと期間

矯正歯科治療は一般的に複数の段階に分かれています。全体の流れを把握することで、ご自身の治療がどの段階にあるのかを理解しやすくなります。

まず初診では、歯並びや咬み合わせの視診を行い、患者さまのお悩みをお聞きします。この段階で疑問点や確認しておきたいことを質問することが大切です。担当医との相性を見極める機会でもあります。

次に精密検査を受け、その結果に基づいて具体的な治療期間、費用、装置についての説明を受けます。納得できれば治療契約となり、いよいよ矯正治療がスタートします。

矯正治療の全体期間は、大人の方の場合、通常2〜3年程度かかります。ただし、これは歯の動きやすさや不正咬合の程度によって個人差があります。精密検査でおおよその期間が分かりますが、実際の歯の動き具合によって調整されることもあります。

目標とする歯並びと咬み合わせが達成されたら、矯正装置を外します。しかし、ここで治療が完全に終わるわけではありません。動かした歯を安定させるための保定装置を装着する「保定期間」が始まります。

保定期間は一般的に動的治療(装置をつけて歯を動かす期間)と同程度の期間が必要とされています。この期間中は3〜6ヶ月に1度程度の通院で経過観察を行います。

矯正治療中の通院頻度はどのくらい?

矯正治療中の通院頻度は、使用する装置のタイプによって異なります。一般的な目安をご紹介します。

ワイヤー矯正の場合は、約4〜6週間(1ヶ月〜1.5ヶ月)に1回の通院が必要です。この頻度で装置の調整やワイヤーの交換を行います。

マウスピース矯正の場合は、1ヶ月半〜2ヶ月に1回程度の通院となります。マウスピース矯正では自宅でマウスピースを交換していくため、通院の主な目的は歯の動きが計画通りに進んでいるかの確認です。

小児矯正の場合も、基本的には1.2ヶ月に1回程度の通院が必要です。

通院頻度が短いほど治療期間も短くなるのでは?と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。歯の移動には適切な力と時間が必要であり、急いで強い力をかけると歯茎が下がったり、歯がさらに不安定になったりするリスクがあります。

矯正治療が終了した後の保定期間では、通院頻度は徐々に減っていきます。基本的には3ヶ月に1回程度になります。当院では3ヶ月おきに定期検診を行なっており、クリーニングに来られた際に保定装置(リテーナー)を確認します。

どうですか?思っていたより通院頻度は多くないと感じませんか?

ただし、これはあくまで一般的な目安であり、個々の症例や歯科医院によって異なる場合があります。治療計画を立てる際に、担当医と通院スケジュールについてよく相談することをおすすめします。

なぜ矯正治療には時間がかかるのか

「なぜ矯正治療にはこんなに時間がかかるの?」と疑問に思われる方も多いでしょう。実は、矯正治療に時間がかかる理由には科学的な根拠があります。

矯正治療では、歯を支える骨(歯槽骨)の生理的な反応を利用して歯を動かしています。歯に適切な力をかけると、力がかかる方向の骨が吸収され、反対側では新しい骨が形成されます。

この骨のリモデリング(再構築)のスピードは、生物学的に決まっており、一般的に1ヶ月に約1mmという非常にゆっくりとしたペースです。このため、大きく歯を動かす必要がある場合には、どうしても長い時間が必要になります。

また、歯を動かした後は、新しい位置で骨が安定するまで時間がかかります。これが保定期間が必要な理由です。保定装置をしっかり使用しないと、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こりやすくなります。

強い力で短期間に歯を動かそうとすると、歯根吸収(歯の根が短くなる)や歯肉退縮(歯茎が下がる)などの副作用が生じるリスクが高まります。安全で確実な治療のためには、適切な力と十分な時間が必要なのです。

矯正治療は「マラソン」のようなものです。短距離走のように一気に駆け抜けるのではなく、ゆっくりとしたペースで着実に進めていくことが、最終的には良い結果につながります。

抜歯と非抜歯の選択が治療期間に与える影響

矯正治療を始める際に大きな分かれ道となるのが、「歯を抜くか抜かないか」という選択です。この決断は治療期間にも影響を与えることがあります。

非抜歯矯正は、その名の通り歯を抜かずに矯正治療を行う方法です。歯を残せるというメリットがありますが、あごのスペースが足りない場合は、歯列を拡大したり、前歯を前方に傾斜させたりする必要があります。

一方、抜歯矯正では、通常は左右の上下から対称的に小臼歯を抜歯し、そのスペースを利用して歯並びを整えます。これにより、口元の突出感を改善したり、より安定した咬み合わせを得られる場合があります。

抜歯・非抜歯の選択は、治療期間に次のような影響を与えることがあります。

非抜歯矯正の場合、歯を抜く時間が不要なため、その分だけ治療開始までの時間は短くなります。しかし、あごのスペースが足りない状況で無理に非抜歯で治療を行うと、歯の移動量が多くなったり、難しい移動が必要になったりして、かえって治療期間が長くなる可能性があります。

また、無理な非抜歯矯正は、治療後の安定性にも影響します。歯が不安定な状態になると、後戻りのリスクが高まり、結果的に保定期間が長くなることもあります。

抜歯・非抜歯の選択は、単に治療期間だけでなく、治療の質や長期的な安定性、顔貌への影響なども考慮して決定する必要があります。患者さま一人ひとりの状態に合わせた最適な選択をするために、臨床経験豊富なドクターとの十分な相談が重要です。

矯正治療期間を短くするためのポイント

矯正治療は長期間にわたりますが、いくつかのポイントを押さえることで、可能な限り治療期間を短くすることができます。

まず最も重要なのは、医師の指示をしっかり守ることです。特にマウスピース矯正の場合、装着時間を守ることが治療成功の鍵となります。マウスピース矯正では、1日20時間以上の装着が推奨されています。

次に、定期的な通院を欠かさないことです。予約をキャンセルしたり延期したりすると、その分だけ治療期間が延びてしまいます。特にワイヤー矯正の場合、定期的な調整が歯の移動には欠かせません。

また、口腔内を清潔に保つことも重要です。虫歯や歯周病があると、治療が中断されたり、歯の移動が遅くなったりすることがあります。毎日の丁寧な歯磨きとフロスの使用を心がけましょう。

さらに、矯正装置を壊さないよう注意することも大切です。装置が破損すると、修理のために余分な通院が必要になり、治療期間が延びる原因となります。

最後に、全身の健康を維持することも歯の移動に良い影響を与えます。バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動は、体全体の代謝を高め、歯の移動をサポートします。

これらのポイントを意識して矯正治療に臨むことで、より効率的に治療を進めることができるでしょう。

あなたも矯正治療を頑張ってみませんか?

保定期間の重要性と通院計画

矯正装置を外した後も、実は治療は完全に終了したわけではありません。この後に続く「保定期間」は、治療結果を長期的に維持するために非常に重要な段階です。

保定期間では、「リテーナー」と呼ばれる保定装置を装着します。これは動かした歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐためのものです。矯正治療直後は歯が非常に不安定な状態にあるため、保定装置の使用が欠かせません。

保定期間の通院頻度

保定期間の通院頻度は、動的治療期間(装置をつけて歯を動かしている期間)よりも少なくなります。一般的には以下のようなスケジュールになります。

保定装置装着直後は1ヶ月後に来院していただき、その後は3ヶ月ごとの通院となります。

保定期間の長さは、一般的には動的治療と同程度の期間(2〜3年)が必要とされています。しかし、個々の症例によって異なりますので、担当医の指示に従うことが大切です。

保定装置の種類と使用方法

保定装置には、取り外し式と固定式があります。取り外し式は就寝時や指示された時間に装着するタイプで、固定式は歯の裏側にワイヤーを接着するタイプです。どちらのタイプを使用するかは、治療内容や患者さまの生活スタイルによって決まります。

当院の場合は両方行う場合が多いです。

保定装置の使用時間は、就寝時のみの装着になることが多いですが、長期的な安定のためには、可能な限り長く就寝時の装着を続けることをおすすめします。

保定期間中も定期的なメンテナンスは欠かせません。保定装置の状態チェックや調整、口腔内の健康状態の確認を行うことで、矯正治療の結果を長く維持することができます。

登戸クローバー歯科・矯正歯科での矯正治療の特徴

登戸クローバー歯科・矯正歯科では、患者さま一人ひとりの状態に合わせた最適な矯正治療を提供しています。当院の矯正治療の特徴をご紹介します。

なるべく歯を抜かない矯正治療

当院では、最新の矯正システム「MEAW(Multiloop Edgewise Arch Wire)」を採用し、なるべく歯を抜かずに矯正治療ができる方法を推奨しています。患者さまの歯を可能な限り残すことで、自然な歯並びと機能的な咬み合わせを実現します。

ただし、すべての症例で非抜歯治療が最適というわけではありません。患者さまの状態によっては、長期的な安定性や審美性を考慮して、抜歯を含む治療計画をご提案することもあります。いずれの場合も、治療前に詳しく説明し、患者さまと相談した上で最適な方法を選択します。

総合的な歯科治療

矯正治療は、単に歯並びを整えるだけでなく、口腔内全体の健康を考慮して行うことが重要です。当院では、一般歯科、予防歯科、矯正歯科、インプラント、小児歯科、歯周病治療など、幅広い診療科目に対応しています。

多面的に診ることにより、最適な歯科医療を提供し、様々な選択肢から治療法を選べるのが当院の強みです。矯正治療と並行して必要な歯科治療も同時に行えるため、効率的に治療を進めることができます。

高度な歯科医療機器

当院では、高性能のデンタルCT撮影装置を導入し、細部にわたる診断を可能にしています。これにより、より精密な治療計画を立てることができ、治療の質と効率を高めています。

よりよい歯科医療を提供するために、常にソフトおよびハードともにアップデートを行っており、最新の技術を取り入れた治療を受けることができます。

通院しやすい環境

矯正治療は長期間にわたるため、通院のしやすさも重要なポイントです。当院は小田急線・JR南武線登戸駅から徒歩2分という好立地にあり、神奈川全域、東京都からの患者さまが多く来院されています。

また、土曜日・日曜日も通常診療を行っており(休診日は祝祭日のみ)、平日は忙しい方でも通院しやすい環境を整えています。さらに、毎日歯科医師が2人常駐しているため、急なお痛み等の対応も可能です。

まとめ:矯正治療は計画的に

矯正歯科治療は、一般的に2〜3年程度の長期間にわたる治療です。通院頻度は使用する装置によって異なりますが、ワイヤー矯正では4〜6週間に1回、マウスピース矯正では1ヶ月半〜2ヶ月に1回程度が一般的です。

治療期間が長くなる理由は、歯の移動が生物学的なプロセスに基づいており、1ヶ月に約1mmというゆっくりとしたペースでしか進まないためです。急いで強い力をかけると、歯や歯茎にダメージを与えるリスクがあります。

抜歯・非抜歯の選択は治療期間にも影響を与えることがありますが、この決断は治療の質や長期的な安定性、顔貌への影響なども考慮して行う必要があります。

矯正装置を外した後も、保定期間として同程度の期間が必要です。この期間は通院頻度が徐々に減っていきますが、保定装置の使用は治療結果を長期的に維持するために非常に重要です。

登戸クローバー歯科・矯正歯科では、なるべく歯を抜かない矯正治療を推奨していますが、患者さま一人ひとりの状態に合わせた最適な治療計画をご提案しています。高度な医療機器と経験豊富な医師による質の高い治療と、通院しやすい環境で、患者さまの矯正治療をサポートします。

矯正治療は長い道のりですが、計画的に進めることで、美しい歯並びと健康的な咬み合わせを手に入れることができます。まずは臨床経験豊富なドクターに相談し、ご自身に最適な治療計画を立ててみませんか?

監修者情報

鈴木 聡(すずき さとし)先生
医療法人社団 緑幸会 登戸クローバー歯科・矯正歯科 理事長

略歴
広島大学歯学部卒業後、複数の歯科医院で研鑽を積み、幅広い症例に対応。現在は神奈川県川崎市にある「登戸クローバー歯科・矯正歯科」の院長を務めるとともに、登戸・東京都世田谷区桜新町に分院を展開しており、統括する医療法人社団 緑幸会の理事長として、地域の歯科医療に貢献している。

専門分野
矯正歯科・インプラント治療・審美歯科
特に、抜歯に頼らない「非抜歯矯正」や、目立ちにくい「マウスピース矯正(インビザライン)」に注力し、見た目と機能の両立を図る治療に力を入れている。

所属学会等

  • 日本矯正歯科学会 会員
  • 日本口腔インプラント学会 会員

監修者からのひとこと
患者さまの「見た目」と「噛める機能」の両立を大切にし、年齢やライフスタイルに合わせた矯正治療を心がけています。大人の方でも安心して始められる治療法をご提案いたします