矯正装置の種類と選び方〜あなたに最適な矯正治療が見つかる
矯正装置選びで失敗しないための基礎知識
歯並びの悩みは見た目だけでなく、お口の健康にも大きく影響します。きれいな歯並びを手に入れるためには、自分に合った矯正装置・矯正を選ぶことが何よりも重要です。
矯正治療を始める前に知っておくべきことがたくさんあります。装置の種類によって治療期間、費用、見た目、メンテナンス方法が大きく異なるからです。適切な選択をするためには、それぞれの特徴を理解しておく必要があるでしょう。
私が歯科医師として20年以上患者さまと向き合ってきた経験から言えることは、情報収集が成功への第一歩だということです。
ワイヤー矯正装置の特徴と種類
ワイヤー矯正は最も伝統的で実績のある矯正方法です。歯に装着するブラケットとそれを連結するワイヤーを使って歯を動かします。
ワイヤー矯正には主に「表側矯正」と「裏側矯正」の2種類があります。表側矯正は歯の表面にブラケットを付ける方法で、裏側矯正(舌側矯正)は歯の裏側に装置を付けるため外からは見えにくいという特徴があります。どちらを選ぶかは、見た目の重視度や治療の複雑さによって変わってきます。
表側矯正にも様々な種類があります。最も一般的な金属製ブラケットは強度が高く、複雑な歯の動きにも対応できます。一方、セラミック製やプラスチック製のクリアブラケットは目立ちにくいものの、若干強度が劣ります。
当院では非抜歯矯正「MEAW(Multiloop Edgewise Arch Wire)」を採用しています。このシステムは従来の矯正方法と比べて、なるべく歯を抜かずに矯正治療ができるという大きなメリットがあります。
「矯正すると歯を抜かなければならない」と心配される方も多いですが、ミュウテクニックを使えば抜歯せずに治療できるケースが増えています。これは患者さまの負担軽減につながる重要なポイントです。
あなたの歯並びの状態によって最適な装置は変わります。複雑な症例では従来の金属ブラケットが適している場合もありますし、軽度の歯列不正ならセラミックブラケットで目立たず矯正することも可能です。
ワイヤー矯正のメリットは、確実な歯の移動が可能で、複雑な症例にも対応できることです。一方、装置が目立つことや、食べ物が挟まりやすいといったデメリットもあります。

マウスピース矯正の仕組みと利点
マウスピース矯正は透明なプラスチック製のマウスピースを使って歯を少しずつ動かしていく方法です。近年人気が高まっている矯正方法の一つです。
最大の特徴は、装置が透明で目立たないこと。食事や歯磨きの際には外すことができるため、日常生活への影響が少ないという利点があります。
マウスピース矯正装置の装着イメージマウスピース矯正では、3Dスキャンで歯型を取り、コンピューター上で治療計画を立てます。その計画に基づいて段階的に異なるマウスピースを作製し、2週間ごとに新しいものに交換していきます。
当院では患者さまのライフスタイルに合わせた矯正方法を提案しています。特に社会人の方や人前に出る機会が多い方には、マウスピース矯正が人気です。
以前、ある患者さまは「同僚に矯正していることを気づかれたくない」という理由でマウスピース矯正を選択されました。治療終了後には「誰にも気づかれずに矯正できて本当に良かった」と喜んでいただけました。
マウスピース矯正は自分で取り外せるため、食事制限がなく、歯磨きもいつも通りできます。ワイヤー矯正では困難な細かい歯磨きも、マウスピースなら外して通常通り行えるため、虫歯や歯周病のリスクを低減できます。
ただし、自己管理が重要です。マウスピースは1日20〜22時間の装着が必要で、外している時間が長いと効果が出にくくなります。自分で管理できる自信がある方に向いている矯正方法と言えるでしょう。
また、すべての症例に対応できるわけではありません。複雑な歯の動きが必要な場合は、従来のワイヤー矯正の方が適している場合もあります。
子供の矯正装置と治療のタイミング
お子さまの矯正治療は、大人とは異なるアプローチが必要です。成長期の顎の発達を利用することで、より効果的な治療が可能になります。
子供の矯正は一般的に「I期治療(早期治療)」と「II期治療」に分けられます。I期治療は乳歯と永久歯が混在する混合歯列期(7〜10歳頃)に行い、顎の発育を促す装置を使用します。II期治療は永久歯がほぼ生えそろった12歳以降に行う本格的な矯正治療です。
子供の矯正で使用される装置には、取り外し式のものと固定式のものがあります。取り外し式装置は就寝時のみ装着するタイプや、一日数時間装着するタイプがあり、固定式装置は歯に接着して使用します。
当院では、お子さまの年齢や症状に合わせて最適な矯正装置を選択しています。特に注目すべきは、成長期を利用した非抜歯矯正の可能性です。
成長期のお子さまは顎の骨が成長途上にあるため、この時期に適切な装置で誘導することで、歯を抜かずに理想的な歯並びを実現できる可能性が高まります。
ある小学3年生の男の子は、上の前歯が大きく前に出ていました。早期に拡大床という装置を使用したところ、顎の成長が促され、抜歯せずに前歯の出っ張りが改善しました。早期治療の効果を実感した症例です。
子供の矯正で大切なのは、定期的な装置の調整です。成長に合わせて装置の調整や治療計画の見直しが必要になることもあります。当院では1.5から3ヶ月ごとの通院をおすすめしています。
お子さまの矯正治療を検討されている保護者さまへ。早すぎる治療開始は必ずしも良いとは限りません。適切な時期に適切な装置で治療を始めることが重要です。まずは臨床経験豊富な歯科医師の診断を受けることをおすすめします。
矯正装置の選び方〜症例別アドバイス

矯正装置の選択は、歯並びの状態だけでなく、ライフスタイルや予算、治療期間の希望などを総合的に考慮する必要があります。ここでは、よくある症例別に最適な装置選びのポイントをご紹介します。
出っ歯(上顎前突)の場合、従来は抜歯を伴うワイヤー矯正が一般的でした。しかし、当院で採用しているミュウテクニックを使えば、抜歯せずに治療できる可能性が高まります。
受け口(下顎前突)は日本人に多い症例です。軽度の場合はマウスピース矯正でも対応可能ですが、重度の場合は顎の骨格的な問題も関わるため、ワイヤー矯正が適していることが多いです。
すきっ歯(空隙歯列)は比較的治療が容易な症例です。マウスピース矯正でも十分対応可能なケースが多く、目立たない矯正を希望される方に適しています。
叢生(歯のでこぼこ)は、その程度によって装置選択が変わります。軽度から中等度であればマウスピース矯正も選択肢となりますが、重度の場合はワイヤー矯正の方が効果的です。
矯正装置を選ぶ際に考慮すべき要素は以下の通りです:
治療の効果と予測される結果
治療期間
費用
見た目(審美性)
メンテナンスのしやすさ
生活への影響
当院では初診時に詳しくカウンセリングを行い、患者さま一人ひとりの状態や希望に合わせた矯正装置を提案しています。
矯正装置選びで最も大切なのは、臨床経験豊富な歯科医師との十分な相談です。インターネットの情報だけで判断せず、実際に診察を受けることをおすすめします。
あなたの理想の笑顔のために、最適な矯正装置・矯正治療方法を一緒に見つけていきましょう。
矯正装置のメンテナンス方法と注意点
矯正装置を装着している間のお手入れは、治療成功の鍵となります。適切なメンテナンスを行うことで、虫歯や歯周病のリスクを減らし、快適に矯正治療を進めることができます。
ワイヤー矯正の場合、ブラケットの周りや歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなります。通常の歯ブラシに加え、歯間ブラシやワンタフト型の歯ブラシを使用することが重要です。
当院では矯正治療を始める際に、装置別のクリーニング方法を詳しくご説明しています。また、矯正治療での通院時には、お口の状態をチェックしプロフェッショナルクリーニングも行っています。
マウスピース矯正の場合は、マウスピース自体のお手入れも重要です。マウスピースは取り外して食事ができる利点がありますが、装着前には必ず歯磨きをする必要があります。歯磨きせずにマウスピースを装着すると、虫歯のリスクが高まります。
マウスピースのクリーニングには、専用の洗浄剤を使用するか、ぬるま湯と中性洗剤で優しく洗うことをおすすめしています。熱湯や強い洗剤はマウスピースを変形させる恐れがあるので避けてください。
矯正治療中に気をつけるべき食べ物もあります。ワイヤー矯正の場合、硬いものや粘着性の高い食べ物は装置を破損させる可能性があるため注意が必要です。
矯正装置のメンテナンスで最も重要なのは「継続すること」です。面倒に感じることもあるかもしれませんが、毎日のケアが治療結果に大きく影響します。
当院では矯正治療中の患者さまに、1ヶ月から2ヶ月ごとの矯正治療をおすすめしています。装置の調整だけでなく、お口の健康状態を確認し、必要に応じたアドバイスを提供しています。
矯正治療は一時的なものではなく、美しい歯並びを生涯維持するための第一歩です。治療後も定期的なメンテナンスを続けることで、理想の笑顔を長く保つことができます。
矯正治療の費用と期間〜知っておくべき現実
矯正治療を検討する際、多くの方が気になるのが費用と治療期間です。これらは装置の種類や症例の複雑さによって大きく異なります。
一般的に、ワイヤー矯正の費用は50万円〜80万円程度、マウスピース矯正は60万円〜100万円程度が相場です。ただし、これはあくまで目安であり、個々の症例によって変動します。
当院では患者さまの負担を考慮し、できるだけリーズナブルな料金設定を心がけています。また、分割払いにも対応しており、月々の負担を軽減できるプランもご用意しています。
治療期間については、ワイヤー矯正の場合は約1.5年から3年、マウスピース矯正は約1年から2年が一般的です。しかし、これも症例の複雑さや患者さまの協力度によって変わってきます。
特にマウスピース矯正は、装着時間の遵守が治療期間に直結します。指示通りの装着ができないと、予定よりも治療期間が長くなることがあります。
矯正治療は保険適用外の自由診療となるため、医院によって費用が異なります。複数の医院で相談することも一つの方法ですが、単に費用だけで選ぶのではなく、歯科医師の経験や技術、アフターケアの充実度なども考慮することが大切です。
当院では初回のカウンセリングで、おおよその費用と治療期間をご説明しています。また、治療開始前に詳細な見積もりを提示し、患者さまが納得した上で治療を始められるようにしています。
矯正治療は決して安い買い物ではありませんが、一生涯使う歯への投資と考えれば、その価値は十分にあると言えるでしょう。
美しい歯並びは見た目の改善だけでなく、噛み合わせの改善による顎関節症の予防、歯磨きのしやすさによる虫歯・歯周病リスクの低減など、多くの健康上のメリットをもたらします。
長期的な視点で考えると、矯正治療は将来の歯科治療費を節約することにもつながる可能性があります。
まとめ〜あなたに最適な矯正装置を見つけるために

矯正装置の種類と選び方について、様々な角度からご紹介してきました。最後に、あなたに最適な矯正装置を見つけるためのポイントをまとめます。
まず大切なのは、自分の歯並びの状態を正確に把握することです。軽度の歯列不正なのか、重度の不正咬合なのかによって、選択肢は変わってきます。
次に、ライフスタイルや優先順位を考えましょう。見た目を重視するなら裏側矯正やマウスピース矯正、確実な効果を重視するなら従来のワイヤー矯正というように、自分にとって何が大切かを明確にすることが重要です。
また、予算や通院可能な頻度なども考慮すべき要素です。矯正治療は長期間にわたるため、無理なく続けられる条件を整えることが成功への鍵となります。
最も重要なのは、信頼できる矯正歯科医を見つけることです。経験豊富な歯科医師のもとで治療を受けることで、より良い結果を期待できます。
当院では、患者さま一人ひとりに合わせたオーダーメイドの矯正治療を提供しています。
「ゴムメタルワイヤー」や「MEAW(Multiloop Edgewise Arch Wire)」を活用し、なるべく歯を抜かない矯正治療を心がけています。
矯正治療は決して簡単な道のりではありませんが、その先にある理想の笑顔は、努力に見合う価値があります。
美しい歯並びは、自信を持って笑える人生への投資です。あなたに最適な矯正装置を見つけ、理想の笑顔を手に入れるお手伝いをさせてください。
まずはお電話やWEB予約であなたの歯並びの状態と最適な矯正方法についての矯正相談のご予約をお気軽にお申し付けください。
監修者情報
鈴木 聡(すずき さとし)先生
医療法人社団 緑幸会 登戸クローバー歯科・矯正歯科 理事長

略歴
広島大学歯学部卒業後、複数の歯科医院で研鑽を積み、幅広い症例に対応。現在は神奈川県川崎市にある「登戸クローバー歯科・矯正歯科」の院長を務めるとともに、登戸・東京都世田谷区桜新町に分院を展開しており、統括する医療法人社団 緑幸会の理事長として、地域の歯科医療に貢献している。
専門分野
矯正歯科・インプラント治療・審美歯科
特に、抜歯に頼らない「非抜歯矯正」や、目立ちにくい「マウスピース矯正(インビザライン)」に注力し、見た目と機能の両立を図る治療に力を入れている。
所属学会等
- 日本矯正歯科学会 会員
- 日本口腔インプラント学会 会員
監修者からのひとこと
患者さまの「見た目」と「噛める機能」の両立を大切にし、年齢やライフスタイルに合わせた矯正治療を心がけています。大人の方でも安心して始められる治療法をご提案いたします。