ジルコニアセラミック vs. 硬質レジン前装冠：どちらを選ぶ？
前歯をぶつけて折れちゃった。
前歯が虫歯になって、神経を抜く治療をした。
など前歯に被せ物が必要になった時、見える場所だし自費のものにするか、保険のものにするか迷われる方も多いかと思います。
前歯の補綴治療としては当院では硬質レジン前装冠、ジルコニアセラミック、陶質前装冠を揃えています。
保険か保険外か以外にも見た目、強度、う蝕リスクなど違いがあります。
今回は硬質レジン前装冠とジルコニアセラミッククラウンそれぞれの特徴を比較してみましょう。
1. 強度と耐久性
ジルコニアセラミック
ジルコニアは非常に硬く、金属に匹敵する強度を持っています。
そのため、噛む力が強くかかる奥歯にも適用可能で、長期間使用してもすり減りにくいのが特徴です。
硬質レジン前装冠
レジン（樹脂）は比較的柔らかいため、経年劣化ですり減ったり、欠けたりするリスクがあります。
強い力がかかる部分では、破損の可能性が高くなります。
特に前歯ではチッピングといって切縁のレジンが欠けることがよくみられます。
金属の上に表から見える範囲をレジンで覆ったものなので、歯の先端は金属の裏打ちがないレジンのみになっています。
金属とレジンという異物を接着している被せ物なこと、先端はレジンのみなことが欠ける原因です。
2. 審美性
ジルコニアセラミック
ジルコニアは透明感があり、天然歯に近い自然な色調を再現可能です。特に、セラミックの上に陶材を焼き付けたレイヤリングタイプのジルコニアは、より審美性が高くなります。
硬質レジン前装冠
金属フレームにレジンを盛る構造のため、金属の影響で被せ物の透明感が低くなることがあります。
また時間が経つとレジンが変色し、薄暗くなります。
さらに金属を使っているので、金属が透けて歯肉の周りが薄暗くなることがあります。
3. 金属アレルギーのリスク
ジルコニアセラミック
フルジルコニアのクラウンであれば、金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。
硬質レジン前装冠
金属フレームを使用するため、金属アレルギーのリスクがある方は注意が必要です。
4. 費用
ジルコニアセラミック
自費診療が一般的で、硬質レジン前装冠と比べると費用は高くなります。
当院では前歯だと99000円、奥歯だと88000円なります。
ただし、長期間使用できるため、結果的にコストパフォーマンスが高いとも言えます。
当院では10年の保証があります。
定期検診に通っていただければ、何らかの理由があって再製作が必要になっても保証の範囲で治療をさせていただきます。
硬質レジン前装冠
保険適用されるため、比較的安価に治療が可能です。
ただし、耐久性や審美性に劣るため、将来的に再治療が必要になる可能性があります。
