インプラント治療をより安全に行うために 症例検討会を行いました
当院では、患者さんにより安全で適切な歯科治療をご提供するため、定期的にスタッフや歯科医師が集まり、勉強会や症例検討会を行っています。
今回はランチミーティングの時間を利用して、「インプラント治療の症例検討会」を行いました。
CTをもとにインプラント治療を検討
今回取り上げたのは、以前抜歯を行った下顎の奥歯に、インプラント治療を予定している患者さんの症例です。
インプラント治療では、歯を失った部分の顎の骨にインプラント体を埋め込み、その上に人工の歯を装着します。
そのため、「骨があるからインプラントを入れられる」と単純に判断するのではなく、骨の高さや幅、神経までの距離、周囲の組織の状態、最終的にどのような歯を作るのかなど、さまざまな要素を事前に確認する必要があります。
今回の症例でも、通常のレントゲン写真だけではなく、歯科用CTを撮影し、顎の骨を立体的に確認しながら治療計画について検討しました。
抜歯後の「治り方」も大切です
歯を抜いたあとの部分は、時間の経過とともに少しずつ骨が作られて治癒していきます。
しかし、すべてのケースが同じように治るわけではありません。
今回の症例では、抜歯から一定期間が経過しているにもかかわらず、一部に骨の治癒が十分ではないと思われる部分がCT上で確認されました。
そこで今回のランチミーティングでは、
「このままインプラント治療を進めてもよいのか」
「まず治癒していない部分をきれいにする処置を行ったほうがよいのか」
「インプラントを入れる位置やタイミングはどうするべきか」
などについて、CT画像や模型を確認しながら複数の歯科医師で意見を出し合いました。
「予定通り進めない」という判断も大切
今回の症例検討で改めて重要だと感じたのが、事前に立てた計画だけにこだわらず、実際の状態に応じて治療方針を変更することの大切さです。
CTによってかなり詳しく骨の状態を確認できるようになりましたが、それでも実際に処置を行って初めて分かることがあります。
もし手術中に予想していた状態と異なることが分かった場合には、無理にインプラントを埋入するのではなく、一度その部分をきれいにして十分な治癒を待つ、という選択肢もあります。
治療期間が多少長くなったとしても、長期的に安心して使用できるインプラントを目指すためには、こうした慎重な判断も非常に重要です。

最終的な「歯」から逆算して考える
また、今回のランチミーティングでは、インプラントそのものだけではなく、最終的にどのような歯を作るのかをあらかじめ考えることについても話し合いました。
インプラントは、骨の中にただ入ればよいというものではありません。
最終的な被せ物の位置や形、噛み合わせ、お手入れのしやすさなどを考え、その完成形から逆算してインプラントの位置や方向を計画することが大切です。
そのため、必要に応じて模型上で完成する歯の形を事前に再現する「ワックスアップ」などを行い、より精密に治療計画を立てていきます。

より安全な治療のために
インプラント治療は、患者さん一人ひとりで骨や歯肉の状態、噛み合わせ、残っている歯の状態などが異なります
そのため、同じ場所へのインプラント治療であっても、適切な治療方法が全く同じとは限りません。
今回のランチミーティングを通して、CTによる十分な術前診査、複数の治療方法を想定した準備、そして状況に応じて安全性を優先する判断の重要性を改めて確認することができました。
当院ではこのような症例検討や勉強会を継続し、一つひとつの症例について「この患者さんにとって、より安全で長期的に良い治療は何か」を考えながら日々の診療に取り組んでいます。
これからもスタッフ・歯科医師間で知識や経験を共有し、患者さんに安心して治療を受けていただける歯科医院を目指してまいります。
登戸クローバー歯科・矯正歯科
歯科医師 稲田英里子


