「根管形成」と言われるステップ:根管治療
こんにちは。歯科医師の鈴木陵介です。
前回に引き続き第2回目となる、根の治療のステップについてお伝えさせていただきます。
前回は根の治療をするために、神経のお部屋を上から広げてあげることで、「器具を容易に入れることができる」、「お部屋を綺麗にしやすくできる」、「お薬を詰めやすくなる」、「スムーズに治療を行うことができるようになる」とご説明させていただきました。
今回はその続きです。
治療のステップとしては、お薬を詰めるために、神経の元々入っていた「根管」と言われる部分を広げていく作業についてです。「根管形成」と言われるステップです。
根管形成とは
根管形成とは、器具によって、神経のお部屋を広げて行くことと、お部屋の中に入っている神経や以前治療した材料を取り除くことです。
「お部屋を広げてあげ、掃除をしてあげることで、細菌を取り除き、
また再度感染を予防してあげる」こと
「お部屋をよく洗えるようにするため、お薬を詰めやすくするために形を整えてあげる」こと
上記の二つの目的があります。
根管形成にも進め方、使用器具、考え方が様々です。
ただ今回ご紹介させていただく「根管形成」は教科書に沿った最も一般的かつオーソドックスなものとなります。
一般的に歯科用エンドKファイルをいうネジのような器具を用いて、
根管形成を行なっていきます。

これはルールが決まっていて小さい数字からどんどん使用していき、広げて行くものです。
下のイラストにあるように、小さな数字から大きな数字になるように、お薬が詰められるようになるまで、お部屋を広げていきます。

先生によっても広げる大きさは異なり、考え方も異なるのですが、教科書通りで#35まで広げます。
また最近ではニッケルチタンロータリーファイルというものでよく使用されるようになりました。

この器具は、機械につけて行うため、非常に効率よく形成を進めて行くことができます。
そのため、治療時間、治療回数を大幅に減らすことができ、患者様の負担も減らすことができます。
私たちはこのような器具を用いて、お部屋を広げています。
実は言うとスムーズに進んでいくとも限らないのが根の治療の難しいところです。
歯の根っこの形や本数の違い
「根管」とは言っても、歯の種類である前歯、奥歯によって、形や本数が異なってきます。
その歯にある「根管」がどのように存在し、どこにあるのか予め私たち術者は把握した上で進めています。
時々遭遇するのは、「根管」が見つからないことです。
基本的には歯の解剖学的構造が頭に入っているため、その通りに治療を進めていますが、見つからないことがあります。
歯の根管が見つからない理由
それはなぜか。
大きな虫歯を長いことそのままになり、細菌感染に長くさらされてしまい、神経の炎症状態が続いてしまうと、身体の防御反応によって、神経はどんどん「石灰化」といわれ、閉じる方向に進んでいきます。
また加齢によって神経がどんどん細くなっていき、「根管」の入り口である「根管口」が閉じてしまうこともあります。
歯の根管治療を繰り返すとき
すでに治療された歯でも、材料によって塞がれており、本来の根管が見つかりにくいこともしばしあります。
このようにスムーズに進む治療と思われがちですが、私たち術者はこのようなことに遭遇することがあり、回数がかかってしまうのです。
若い先生で治療になれていない、もしくは熟練していなければ回数がかかってしまうのは当然であり、術者の技量に左右されてしまう治療の一つでもあります。
普段治療で、多く経験があるにも関わらず、基本的に人の歯と模型は全く異なり、人の口の開ける量にも様々なため、難易度も異なります。
レントゲン撮影やCT撮影の必要性
そのためレントゲンを逐一とったり、CTを撮らせていただいて、3次元的にしっかりと歯の構造を把握し、見ながら進めて行くことが重要になっていきます。
次回は根管のお部屋の中を洗う作業についてご説明させていただきます。


