• 書籍の紹介

    投稿者:clover

     こんにちは。登戸クローバー歯科・矯正歯科の歯科医師の津野田です。
    本日は歯科の専門書籍を一冊ご紹介します。

    今回ご紹介するのは『成功に導くエンドのイニシャルトリートメント 著:牛窪敏博』です。

     今回紹介するこの本は、
    歯内療法において科学的根拠に基づいた診断や正確な治療方法の選択が
    できるようになるための道標となりうる素晴らしい書籍でした。

     歯内療法の治療法は先生によっても様々で、
    使用できる器具や薬剤も多種にわたります。

    とくに薬剤においては作用が似ているものもあります。
    しかしそれらを正しく使い分け、適切に時期にしようすることが医療人として求められます。

    これが曖昧になってしまうと、治癒が遅れたりアクシデントにも繋がりかねません。
    そうならないために具体的にどうするべきか、
    教科書的な断片的な知識だけでなくテクニックも網羅した上での丁寧な解説がされています。
    個人的にはこの点がもっとも素晴らしいと感じた点です。

    実際の臨床の場で今日から活かすことのできる
    目から鱗の知識が豊富に詰まった書籍ですので是非一度読んでいただければと思います。

  • 歯の構造と虫歯のでき方

    投稿者:clover

    こんにちは!
    歯科医師の渡辺です 😀

    皆さん知っていましたか?
    歯は体の中で最も硬い組織で、鉄よりも硬いんです。

    治療で歯を削る時はそれより硬いものじゃないと削れないので、
    実はダイヤモンドが入ったバーを使っているんですよ!

     😉 クリニック中のダイヤモンドポイントのダイヤを集めたら
    どれくらいの大きさになるんだろう笑

    今回はそんな歯の構造とむし歯のでき方をお伝えしていきたいと思います!

     

    歯の構造と虫歯のでき方

    ◎歯の構造歯は3層に分かれており、
    1番外の層をエナメル質、その内側を象牙質、さらに内側を歯髄と言います。

    まずはそれぞれの層の特徴を紹介したいと思います。
    歯の構造 エナメル質 象牙質

    エナメル質

    ハイドロキシアパタイトというリン酸カルシウムでほとんど(97%)作られており、
    この層が最も硬いです。

     

     

    象牙質

    この層はハイドロキシアパタイト70%の他に
    コラーゲンなどの軟らかい組織が含まれています。

    硬いだけだと割れてしまうので、しなるような働きがあります。

     

     

    歯髄

    いわゆる歯の神経です。
    1番内側で守られている層になりますね。
    エナメル質、象牙質がハイドロキシアパタイトという
    無機質が多くを占めていたのに対して、
    歯髄はコラーゲンの繊維と血液で満たされています。

     

    虫歯のでき方

    皆さん虫歯がどうやってこの硬い歯を壊していくか知っていますか?
    私は子供の頃はなんとなく虫歯さんがバリバリ食べていくイメージがありました笑

    実際には細菌が直接的に歯を壊すのではなく、
    細菌が口腔内のプラークをもとに酸を作り出して、歯を溶かしているそうです。
    体の中で1番硬い組織の歯ですが、残念なことに酸には弱かったんですね・・
    歯の断面図 虫歯になる流れ 虫歯

    むし歯になる流れとしては、

    食べかす(細菌のエサ)がある

    むし歯の細菌が活性化し酸をつくる

    酸で歯の表面が溶かされる(脱灰、軟化)

    溶かされて歯の構造が少し崩れる

    崩れた隙間に色素がはいる(着色)

    さらに溶かされて大きく構造崩れる

    大きくなった隙間に細菌が入る(細菌侵入)

     

    つまりむし歯の細菌が先頭を切って歯を壊すのではなく、

    サイズの小さいもの順に酸(H+)

    色素(細菌由来や口腔内従来のもの)

    細菌

    の順で入り込むんですね。
    これを繰り返してむし歯は広がっていきます。

     

    長時間歯磨かないでいたり、おやつやジュースをダラダラ食べたりすると
    細菌が酸を作って歯の構造が崩れやすいです。

     

    口腔内を酸性の環境下に長時間晒さないためにも、
    まずは適切な歯磨きをしてむし歯の餌を作らないようにしていましょう!!
    定期健診や歯の治療のご予約はこちらからどうぞ! 😀

    参考資料
    厚生労働省 e-ヘルスネット 虫歯の特徴

    むし歯の特徴・原因・進行

  • 「抜いてインプラントにしたほうがいい」は正解?

    投稿者:clover

    こんにちは 😀
    歯科医師の津野田です。
    本日は患者さんから頂いたご質問にお答えしようと思います。

    先日来院された30代の患者さんから
    「他院で歯の変色が気になると相談したら、

    その歯を抜いてインプラントにしたほうがいい

    と言われたのですが…」とご相談をいただきました。

    その歯は抜髄した歯、わかりやすくいうと歯の内部の神経を抜いた歯です。
    しかし虫歯になっているわけでもなく歯周病の進行もない健康な歯でした。

    私は医学的に問題のないその歯を抜いてしまう必要性はないと判断し、
    患者さんにその旨をお伝えしました。

     

    抜髄した歯の変色について

    ではなぜ今回の患者様は抜歯してインプラントを入れることを勧められたのでしょう。

    理由は見た目が良くないからです

    というのも抜髄した歯というのは内部の血流や神経などが全くなくなっているため
    歯に栄養素が行き届かなくなっており、本来の色を保てずに歯が変色してしまうのです。

    その多くは薄い灰色茶色のような暗い色になります。
    故に他の歯と並ぶと一本だけ違う色の歯になってしまうため目立ってしまうのです。

     

    抜髄した歯の特徴とは

    抜髄した歯についてもう少し詳しくお話しすると、
    抜髄した歯というのは先程申し上げたように歯に栄養素が行き届いておりません。

    したがって神経がある歯と比較すると「脆く」なっているのです。

    具体的には歯が破折する危険性が高くなります。
    その破折が歯の根っこに生じてしまうと
    基本的には抜歯をせざるを得なくなってしますのです 😥

     

    抜歯は必要か

    では変色した歯は抜いた方がいいのかという件ですが、その必要はありません。
    その他の要因(虫歯や歯周病、破折、矯正での便宜抜歯など)があれば別ですが、
    変色だけを理由に抜歯をするのは適切ではありません。

    ご自身の歯を問題なく使えるうちはその歯を大事にして欲しいですし、
    そのための処置に徹することが本来の歯科治療であると考えます。

     

    最善の治療は

    せっかく治療した歯を駄目にしてしまわないように予防しなければなりません。
    そのためには歯が割れないように物理的に保護する必要があります。
    これに一番適しているのは「被せ物」を入れることです。

    これは歯全体を覆う冠のような形をした被せ物(補綴物)です。
    歯全体を覆うことにより咬合などの力が加わることによる
    破折を防ぐ効果が期待されています。

    種類は大きく分けると金属製のものやセラミックでできたものなどがあります。

    歯の被せ物 セラミックの歯 保険の被せ物神経の無い歯 抜髄後 歯の変色

    それでも見た目が気になる歯をなんとかしたいここまでお話しした抜髄歯の性質と色味などの見た目の点からすると
    今回の場合も「被せ物」を入れることをお勧めします。

    より本物の歯に近い見た目を追求される方にもご満足いただけるものもご用意しています。

    費用も様々で、保険で適応されるものと自費負担のものとがあります。

    是非気軽に御相談ください。
    ご予約はこちらからどうぞ! 😀

  • 歯科治療中の偶発症について

    投稿者:clover

    こんにちは。歯科医師の津野田です 😀

    本日は歯科治療中の偶発症について、
    特にアナフィラキシーショックについてのお話をします。

     

     

    偶発症とは

    医療上の検査や治療の際に偶発的におきる主に良くない事象のことです。

    では、具体的にどんなことが起きるのか、それがなぜ起きるのかを解説した上で、
    実際に起こった場合にどう対応すべきかについてご説明します。

     

    アナフィラキシーショックとは

    まず、アナフィラキシーショックというのは、
    薬物などのアレルギー反応のうちでも特に症状の発生が急速に進行し、
    かつ発生すれば重篤な症状をもたらすのが特徴的です。

    原因となる薬剤は歯科領域ですと
    抗生物質や鎮痛剤、ヨード製剤、局所麻酔、フッ化物などが挙げられます。
    歯科治療 麻酔 アナフィラキシーアレルゲン 抗生物質 麻酔

    そうした原因となるアレルゲン(起因物質)が体内に入ったあと
    数分以内に症状が出ます。

     

    具体的にどんな症状があるのか?

    次に具体的な症状について説明しますが、
    これは非常に多彩でであるためここでは時系列ごとに紹介します。

    まず初めに気分不快、口唇や手足の痺れ感、悪心、めまい、耳鳴りなどを自覚します。

    次いでせき、くしゃみ、皮膚の痒みや紅潮、蕁麻疹などが生じます。

    さらに時間が経過すると顔面の蒼白、喘鳴や呼吸困難(気道が細くなるため)、
    血圧低下、頻脈などが生じ、最終的には意識消失、呼吸停止、心停止となってしまいます。

    上記に挙げた通り、アナフィラキシーは重篤な症状が出るため、
    対応が遅れてしまうと、死亡の危険性が伴います。

    故に迅速な判断と対応が必要になってきます。

     

    アナフィラキシー発生時の対処法

    症状が出たらここからは、
    実際にアナフィラキシーが生じた場合の対処法や重要なポイントをお話しします。

    まず初期の症状が出たた迅速にバイタルサインをチェックし、
    血圧の急激な変化などがないかを確認します。

    そして、患者様を横に寝かせて足を高い位置におきます。

    加えて酸素の投与、気道の確保をします。

    またアナフィラキシーの場合にはエピネフリンという薬剤を投与するのが効果的である為、
    当院では緊急用として常備しております。

    アナフィラキシーは気道付近に浮腫ができることで呼吸が困難になることがあるため
    そうした場合にはこうした薬剤の迅速な投与が重要になります。

    もちろんこうした対応をしている間に119番通報をしておくことが必須ですが、
    救急車が到着するまでにも症状が進行してしまう為にできる限り迅速な対応が求められます。

     

    未然に防ぐ為にも問診が大切です

    生じれば非常に重篤なアナフィラキシーですが、
    未然に防ぐことはできないのかというと、もちろん予防に努めることは可能です。

    そこで重要になるのは詳細な問診をすることです。
    具体的には患者様本人だけでなくご家族のアトピー性要素の有無の確認が重要になります。

    そうした問診で確認したアレルギー発症の既往に基づいて
    薬物の選択や使用には慎重に行います。

    また、同系統に分類される薬物にも注意が必要です。
    適切な対応が必要とされるアナフィラキシーですが、
    過度に心配して適切な容量の薬を投与できなければ、
    患者様にとってかえって苦痛になってしまいかねないため、
    正しい知識と行動が要されるのです。

     

    いかがっだったでしょうか?

    アナフィラキシー以外でも歯の事、お口の中の事で気になる事ありましたら
    何でもご相談ください!! 😀

     

    ご予約はこちらからどうぞ!