歯の神経の治療(根治)をした後の痛みについて
こんにちは。歯科医師の津野田です。
今回は、歯の神経の治療(根治)に伴う痛みについてお話します。
歯の神経の治療というのは歯の根っこの中を通っている神経を抜き、
そこに残った細菌を除去し、きれいな状態にすることです。
ここではその治療のことを根の治療や根治と称します。
根の治療をした後から痛みが・・・
以前、ある患者さんから
「根の治療をした後からそこが痛むんです・・・ 😥 」とお話をいただいたことがあります。
これは根治をするとよくあることです。
ではなぜそうした症状がでるのか。
痛みの原因と対応についてお話しします。
ただ、最終的な診断は実際に診察をしないと結論は出せませんので
参考までに見ていただければと思います。
文章の最後に患者様に向けて根の治療に通っていただく上で
とても大切なことをお話ししますので最後まで見ていただけると幸いです。
どうして痛みが出るの??
では、根の治療をしたらなぜ痛みが出るのでしょうか。
原因はいくつか考えられますがその一部を紹介します。
何もしていないのに痛みがある場合
まず、何もしていなくてもズキズキとした痛み(自発痛)がある場合は
根っこの中に神経が一部残っている可能性が高いです。
歯の根っこの中には神経が通っており体内の深部に通じています。
その神経の繋がりを完全に断ち切れば痛みを感じないのですが、
少しでも根っこの先端に神経の接続が残っているとそのつながりにより
刺激が神経系を通じて脳に達してしまうため痛みを感じてしまうのです。
こうした痛みに対しては神経の活動を弱めるお薬などを使うことで次第に痛みは治りますが、
場合によっては神経を完全に除去する治療をするほうが良い場合もあります。
いずれにしてもお痛みが強い場合は我慢せずに当院にご連絡ください。
噛むと痛みがある場合
そこまでの痛みはないにしても、噛むとズキンと痛みが出る。
しかも治療をしてもその症状が続くという場合もあります。
この原因は先ほどとは異なり、
根っこの先端にある歯周組織を刺激されたことによるものが多いです。
(歯周組織とは歯の周りを囲むものを称して言います。
具体的には根っこを覆う柔らかい膜(歯根膜)、
歯を支える骨(歯槽骨)、
歯茎(歯肉)などです。)
根っこの治療をすると歯の内部にあった細菌や薬、治療器具の先端が
根っこの先端から歯周組織に押し出されることがままあり、
それよって炎症が引き起こされるのです。
炎症が起きている状態で噛むといった追加の刺激が加わることにより
痛みが出ることがあります
(これを専門的にはフレアアップと言います。)
この原因である細菌やその塊である膿は治療が終わっても
すぐに消失するわけではありませんので、
痛みが少し尾を引く場合があります。
これについては
病気が鎮静するについて次第に和らいではきますので安心していただければと思います。
ですが痛みが強くならないように治療中の歯に強い力が加わらないように
噛み合わせの調整をするなどの対応をさせていただくかと思います。
また、お痛みが強い場合にはお薬も処方しますので気軽にご相談ください。
最後に
根の治療というのは虫歯の治療とは違い、
治療が終わってすぐに良い結果が出るものではありません。
一度膿が溜まってしまうとそれがなくなるまでは時間がかかります。
加えてその過程にはお痛みを伴うこともあります。
ですが、しっかり治せていれば必ず状態は良くなります。
したがって患者様にはそれをご理解いただいた上で治療に望んでいただければと思います。
きちんと治るまでの間は責任を持って経過を診ていきますので、
治療が終わった後も定期的に検診を受診していただくことが重要になってきます。
治療が終わっても歯医者に通わないといけないなんて…と思われるかもしれませんが、
それが病気の悪化を防ぐとても大切な一歩になりますので是非ご理解いただけたらと思います。
私たちも全力でサポートして参りますので一緒に頑張りましょう 🙂 !!