こんにちは。登戸クローバー歯科。矯正歯科の歯科医師津野田です。
今回は乳歯(子供の歯)から永久歯(大人の歯)への生えかわり(交換)についてお話をさせていただきます。
上の犬歯が片方生えてこない
以前、来院された患者様からこのようなご相談をいただきました。
『上の犬歯が1本は生えたのに、反対側の犬歯が生えてこない』ということでした。
一般的に乳犬歯が永久歯に生えかわるのはおおよそ11歳から12歳の間です。
患者様は12歳で、明らかに生えかわりの交換が遅れているという訳ではありませんでしたが、反対側が生えかわってからしばらく時間が経っているため、念のため調べることにしました。
レントゲン撮影や模型のかたどり
お口の中にフィルムを入れて撮影するデンタルレントゲンの写真画像から、犬歯が横たわって骨の中に埋まっており、周りの歯に引っかかってしまって生えてくることができない状態なのがわかりました。
外科治療と矯正治療
この患者様は、埋まってしまった歯を正しい位置にするためには外科処置で歯が出てくるように切開し、矯正治療で歯を動かす治療が必要と判断されました。
問題なく永久歯に生えかわるには
このように乳歯が問題なく永久歯に生えかわっているかどうかの適切な判断は非常に重要です。
そのため、今回は歯の生えかわりについて少し深堀りをしたうえで保護者の方々に知っていただきたいことを最後にお伝えします。
歯の生えかわりについて
歯が生えかわる時期
まず歯が生えること(=萌出)についてですが、通常、乳歯は生後6ヶ月から3歳までに生え始め、6歳から12歳の間に永久歯に置き換わります。
この過程は、歯科医学的な観点や生理学的な成長に深く関連しています。
乳歯から永久歯への交換が影響を与えること
乳歯から永久歯への交換は、口腔の健康と機能性に大きな影響を与えます。
永久歯は乳歯よりも大きく強靭であり、より効果的に咀嚼を行うことができます。
また、永久歯の生えかわりが正常に進行することで、顎の成長や顎の位置にも影響を与えます。
交換のプロセスは個々のお子様によって異なりますが、通常は歯がゆっくりと押し出されるか、乳歯が抜けてから永久歯が生えてきます。
この過程で時には乳歯と永久歯の両方が同時に存在することもあります。この段階での口腔衛生や定期的な歯の健診の重要性を強調し、適切なケアを登戸クローバー歯科。矯正歯科では提供いたします。
交換の過程で注意すること
交換の過程で注意すべき点の一つは、乳歯が自然に抜けるまで待つことです。
強制的に歯を抜くことは、長期的に歯がない状態になってしまうため、永久歯の成長を妨げる可能性があります。
また、永久歯が生える際には、時に歯ぐきの腫れや痛みが生じることがありますが、通常は一過性のものです。
どの歯がいつのタイミングで抜けるの?
歯式(歯並びの様子を表した記号・図)ごとに乳歯から永久歯への生えかわりの一般的な年齢は以下の図の通りです。
ただし、これはあくまでも平均であり個人差があります。
乳歯全体の交換が平均から大きく外れていないか、定期的に検診で調べることが重要です。
また、今回のお子さまの症例のように口腔内で1本だけ明らかに生えてこない歯があるなどといったことにも注意が必要です。
保護者の方へ
定期的な検診で保護者の方からご相談を受けるのは
『虫歯がないか心配』
『フッ素などの虫歯予防をしたい』
といった内容が非常に多いです。もちろん、虫歯にならない。なっても早期に治療をして痛みが出ないようにすることも検診の大きな目的の一つです。
ただ、今回のように歯の生えかわりが正常の範囲内かどうかも同様に重要なのです。
お子さんのお口の中を見るだけだと気づきにくき事ですので、ぜひ一度ご相談ください。
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