子どもの歯の虫歯【乳歯う蝕】
登戸の皆様、こんにちは。
登戸グリーン歯科クリニック勤務歯科医師の猪股です 😀
関東の夏の暑さにびっくりしております。
体調管理をしっかりし、充実した夏を過ごしたいですね。
今回は「乳歯う蝕」についてです。
子供の歯の虫歯のことですね!
一般に、子供は歯を磨く技術が未熟であり、また乳歯は硬さなどの性質、形態的特徴から、
しっかりと生えきった永久歯(大人の歯)に比べて虫歯に対する抵抗力が弱いです。
乳歯の特徴について
乳歯の歯の性質を永久歯と比べると、特徴として、
①歯の表面が固く成長しきっていない。
②歯の厚さも薄い。
③歯の形が複雑で隙間ができやすいため、はみがきが難しく、歯と歯の間の虫歯リスクが高い。
④歯の神経が永久歯と比べて外側に近い(=虫歯が神経まで到達しやすい)。
といった性質があるため、永久歯に比べて虫歯の発生リスクが高いといわれています。
虫歯のできやすい場所について
続きまして、虫歯のできやすい場所についてです。
「小窩裂溝(しょうかれっこう)」
「歯頚部(しけいぶ)」
「隣接面(りんせつめん)」
の3つの部位です。
小窩裂溝は歯の噛み合う面にある溝のことです。
歯頚部は歯とはぐきの境目の付近です。
隣接面は歯が隣同士接しているところです。
歯科疾患実態調査によると、
5歳児において最も虫歯になりやすい歯は
上下の第一乳臼歯(前から4番目の子供の奥歯)で、
次いで上下の第二乳臼歯(前から5番目の奥歯)といわれています。
一方で、下の乳前歯(下の前歯6本のこと)ではほとんど虫歯はみられないとされています。
年齢別にみると、上の歯では2~4歳までは乳中切歯(一番前の歯)の虫歯が最も多く、
5歳を超えると臼歯(奥歯)の虫歯が高くなっていき、
第二乳臼歯は8歳で全部の乳歯の中で最も高い虫歯罹患率を示すといわれています。
幼若永久歯の虫歯
次は幼若永久歯(生えてきて間もない大人の歯)の虫歯についてです。
幼若永久歯を成熟永久歯(生えてから5年以上たった大人の歯)と比較すると、
①エナメル質(歯の表面の一番硬い層)成長が未熟。
②成長途中のため歯の厚みが薄く、神経まで近い。
③歯の密度が小さいため、虫歯に対する抵抗性が弱い。
④擦り減ってないので、歯のでこぼこが複雑。
という特徴を有してます。
こうしたことから、幼若永久歯は乳歯と同様に虫歯になりやすいです。
虫歯になりやすい=虫歯の進行が早い=神経まで到達しやすいということです!
幼若永久歯の虫歯の好発部位は、
第一大臼歯(前から6番目の奥歯,6歳臼歯とも言います!)です。
生えてくる途中の第一大臼歯は頭の部分が手前の歯よりもまだ低いため、
歯ブラシが当たりにくいです。
角度を工夫して磨かなければならないので虫歯になりやすいです。
歯は虫歯になる回数が増えれば増えるほど、
次の虫歯のリスクが大きくなってしまいます・・・。
治療した歯も、
虫歯になったことのない歯と比べ再度虫歯になるリスクが高いです(二次虫歯)。