• こどもの口腔機能

    投稿者:clover

    こんにちは!歯科医師の渡辺紘子です 😀

    皆さんは口腔機能発達不全症という言葉を聞いたことはありますか?

     

    最近の子供達は食環境の変化からお口の機能が発達しにくいと言われています。
    食事中にくちゃくちゃ音を立てて食べる早食いや、
    食べ物を飲み物を流し込む
    柔らかいものを好み、
    歯応えのあるものを避ける
    滑舌が悪く、
    舌たらず
    お口がポカンと開いているなど当てはまることはありませんか。

     

    私自身子供の頃には口が開いていることをよく両親に注意されていました。

     

    ピアノの発表会で写真を撮る時に、

     

    写真に音はのらないから「間違えても良いから口は閉じてくれ。」

    と言われたことを覚えています笑

     

    お口の機能が発達していないとは、
    食べる機能
    話す機能
    呼吸する機能
    が弱いということです。

     

    子供の頃に覚えたことは定着しやすく、
    大人になってから改善する方が難しいと言われています。

     

    成長期の口腔機能不全をそのままにしておくと、
    顎の発育不全が進行し、大人になってからの治療を難しく、
    予後を悪くすることにも繋がります。

     

    また鼻呼吸ができず、口呼吸を行うと空気中の雑菌がそのまま肺に入り
    炎症を起こしやすく、アレルギー発症に繋がる場合もあります。

     


    口腔機能低下症 口腔機能変化 口腔機能発達不全症

    35

    しっかりとした嚥下・咀嚼機能を身につける

     

    20代前後

    口腔機能ピーク

     

    65歳あたり

    口腔機能低下 

     

    加齢と共に口腔機能は弱っていきますが、
    幼少期からしっかり口腔機能を発達させておくことは、
    生涯にわたって健康に生きるために必要なことです。

    口腔機能と歯列の成長は密接に関係しています。

     

    ここで正しい状態を説明します。

     

    安静時(何もしてない時)

    唇は閉じて、鼻で呼吸をします。
    舌の位置は1番前の歯の裏側あたりの口蓋に位置します。

    実はこの時に上下の歯は接触していません。
    安静空隙があります。

     

    咀嚼時 


    唇は閉じたままです。
    舌で食べ物を左右に動かして、左右均等に咬みます。
    歯応えのあるものは奥歯を擦り合わせて(グラインディング咀嚼)
    頬っぺたと舌も使っていきます。

     

    柔らかい食べ物は上下に歯を噛み合わせて(チョッピング咀嚼)いきます。

     

    嚥下時 

    唇は動かず、舌の位置は口蓋に押し付けて食べ物を喉の奥に移動をさせます。
    この時上下の歯はしっかり咬合します。
    ちなみに現代人はチョッピング咀嚼がメインで、グラインディングをするような、
    頬と舌の強調運動が苦手な人が多いと言われています。

     

    むし歯の数は年々減っていますが、逆に口腔機能が低下している子は増加しています。

     

    おうちのお子さんはどうでしょうか。
    むし歯があるかをチェックするだけでなく、お口の機能にも注目していきたいですね。

     

    当院では小児矯正、また管理栄養士による食育にも力を入れています。

     

    診療室以外のお家での様子などもお聞かせください。ぜひお待ちしております。

     

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  • 虫歯にはレベルがあります

    投稿者:clover

    こんにちは!歯科医師の渡辺です 😀
    以前歯の構造とむし歯のでき方をお伝えしましたが、
    これらを踏まえて今回は虫歯のレベルについてお話ししたいと思います。

    前回は脱灰、軟化→着色→細菌侵入と

    ラスボスのように歯の中を侵入する細菌ですが、
    この細菌が歯の中のどこまで進行しているかによって
    むし歯の深さ、むし歯のレベルが変わってきます。

    むし歯のレベルは全部で5段階に分けられます!

     

    ・C0


    1番外側のエナメル質が脱灰を始めたばかりの頃。
    レントゲン上では見えないですし、まだ削ったりはしないで
    頑張ってケアをすれば再石灰化ができる時期です。

     

    ・C1


    外側のエナメル質は、エナメル小柱が外側から象牙質側の内側方向へ連なっています。
    むし歯はこの小柱に沿って進行します。
    つまり小柱の並び方をイメージできると虫歯の広がり方の特徴と繋がりますね。

    エナメル質までの虫歯は比較的小さく、痛みを伴わないことが多いです。
    ただ痛くなくても立派なむし歯です。
    C0のように再石灰化では補えません

     

    ・C2

    エナメル質を突破した虫歯は象牙質に到達すると
    さらに象牙細管を伝って歯髄側に進みつつエナメルー象牙境という
    エナメル質と象牙質の境界線を沿って広がります。

    ちなみに象牙細管は知覚過敏の説明をする時にもポイントなります。
    (が知覚過敏についてはまた別の機会に説明したいと思います。笑)

    この象牙細管というのが字の如く、細い管のようなもので歯髄まで続いています。
    管の中は空っぽではなく、結晶性の無機質がつまっていて歯髄への刺激を遮断していますが、
    これらが酸によって壊されると、
    管から刺激が歯髄(神経の部屋)まで伝わって痛みを感じるようになります。

    痛みを感じ出したらむし歯としては結構大きいです。

    歯医者としてもなるべく神経を残したいので、
    歯髄近くの象牙質を削る時はより注意をはらってむし歯をとります。

     

    ・C3

    さらに虫歯がすすんで象牙質を突破して歯髄まで到達すると神経を残すことは基本的にはできなくなります。
    (根未完成歯などは虫歯の進み方によっては上の方だけ神経をとって根っこだけ神経残すこともあります。)

    この頃には痛みはさらに大きくなり、何もしなくても痛く(自発痛)、痛み止め効きにくくなります。

    この状態になると歯髄炎と言って、炎症が強く麻酔も効きにくいです。

     

    ・C4

    この痛い状態を耐えて!?そのままにするとどうなるのか・・・
    歯の頭全体が虫歯で溶けていき、虫歯はそのまま根っこを伝わり、
    歯を支えている骨(歯槽骨)まで溶かしていきます。

    この頃は歯の神経は死んでいるので、痛みが引いたように感じるかもしれません。
    ただこの状態を長く放置すると、周りの歯茎や骨が痛みリンパも腫れていきます。

    1本の歯が悪くなるだけでなく、隣にまで影響してしまいます。

    治療法としては基本的には抜歯になります 😥

     

    ここまでむし歯のレベルをお伝えしましたが、

    歯が痛くなってからの治療だと神経を抜いたり、歯を抜いたりする可能性があります。

    痛くなる前に早期発見、早期治療のためにも
    症状が出る前に一度歯医者さんへお越しください。

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  • 美しい歯並びを保つために必要な矯正治療のアフターケア

    投稿者:clover
    矯正治療を終え、美しい歯並びを手に入れたあなた。
    しかし、治療が終わったからといって、これで終わりではありません・・・。
    矯正治療後 矯正 歯科矯正アフターケア
    皆さんこんにちは!歯科医師の内田です 😀
    美しい歯並びを保つためには、適切なアフターケアが欠かせません。
    今回は、矯正治療のアフターケアの重要性についてご紹介します。

    1. 歯の定期的なクリーニング

    矯正治療後は、歯の定期的なクリーニングが重要です。
    矯正装置を装着していた期間中は、歯ブラシやフロスが届きにくく、
    歯垢や歯石がたまりやすい状態になっています。

    定期的なクリーニングによって、歯垢や歯石を除去し、歯の健康を保ちましょう。

    2. リテーナーの着用

    矯正治療の最後には、リテーナー(保定装置)の装着が行われます。
    リテーナーは、歯並びを安定させるために使用されます。

    定期的な歯科医院の診察を受け、リテーナーの状態を確認し、
    必要に応じて調整を行いましょう。

     

    3. 正しい歯磨きの習慣

    美しい歯並びを保つためには、正しい歯磨きの習慣が欠かせません。
    矯正装置を装着していた期間中は、
    歯ブラシの使い方や歯磨きの方法に変化があるかもしれません。

    歯科医師から指示された方法に従い、歯磨きを行いましょう。

    4. 食事の注意

    矯正治療後は、食事にも注意が必要です。
    硬い食べ物や粘着性のある食べ物は、
    矯正装置やリテーナーに負担をかける可能性があります。

    また、矯正治療後は歯並びが安定するまでの期間がありますので、
    食事に気をつけることで歯並びの維持に役立ちます

    5. 定期的な歯科医院の診察

    矯正治療後も、定期的な歯科医院の診察を受けることが重要です。
    歯科医師が歯並びの状態を確認し、必要なケアや調整を行います。
    定期的な診察によって、歯並びの変化や問題を早期に発見し、
    適切な対策を取ることができます。

     

    アフターケアの重要性

    矯正治療を終えた後も、
    美しい歯並びを保つためには適切なアフターケアが欠かせません。

    定期的なクリーニングやリテーナーの着用、
    正しい歯磨きの習慣、
    食事の注意、
    定期的な歯科医院の診察

    など、様々な要素が重要です。

    美しい歯並びを長く維持するために、アフターケアをしっかりと行いましょう。

    矯正治療のアフターケアは、美しい歯並びを保つために欠かせない要素です。

    定期的なクリーニングやリテーナーの着用、正しい歯磨きの習慣、
    食事の注意、定期的な歯科医院の診察など、
    これらのアフターケアをしっかりと行い、美しい笑顔を長く維持しましょう。

     

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  • 大人の歯軋り・子供の歯軋り

    投稿者:clover

    こんにちは!
    歯科医師の市川です 😀
    今回は「歯ぎしり」についてお話していきます。

    私自身も含め自覚がある人がかなり多いので、
    「歯ぎしり」とは一体どんなものなのか簡単に説明していきたいと思います。

    歯ぎしり 睡眠時の歯軋り 子供の歯軋り

    ☆歯ぎしり(ブラキシズム)とは

    上下の歯が不必要に接触している状態のことを言います。
    また、歯ぎしりのことを「ブラキシズム」と言ったりもします。

    ブラキシズムには3つのタイプがあります。

    ① グラインディング 上下の歯を左右に擦り合わせること。

    ② クレンチング 上下の歯を強く食いしばること。

    ③ タッピング上下の歯をカチカチと噛み合わせること。

    そして、寝ている時と起きている時に起こる場合とにより
    「睡眠時ブラキシズム」「覚醒時ブラキシズム」に分けられます。

     

    ☆原因

    睡眠時ブラキシズムの原因は、
    ストレス、性格、遺伝、飲酒、喫煙などが関与していると言われています。

     

    覚醒時ブラキシズムも
    ストレス、歯並びや咬み合わせなどが関与していると言われています。

     

    ☆影響

    歯ぎしりが習慣化すると次のような影響が出てきます。

    ・咬耗歯の噛み合う面がすり減ることをいいます。

    ・くさび状欠損(WSD)歯と歯茎の境目の歯質がえぐられた状態のことをいいます。
    咬む力により歯の根元に応力が集中し、歯の表面にあるエナメル質が欠けてしまいます。

    ・知覚過敏歯の表面を覆っているエナメル質がすり減り、
    冷たいものや歯ブラシによる刺激で歯がしみます。

    ・咀嚼筋痛顎の筋肉が緊張することによって起こります。

    ・顎関節症顎の関節に負担がかかることによって起こります。

    ・頭痛や肩こり・歯周病の悪化

     

    ☆対処法

    ・マウスピース
    歯にかかる負担を減らします。当院では保険で3000円くらいで作れます!

    ・認知行動療法
    起きている時に歯ぎしりしてしまっている場合は、
    意識して止めるように自分でコントロールする方法です。

     

    ☆子供の歯ぎしりについて

    子供でも歯ぎしりは見られます。
    たまに保護者の方から

    「うちの子歯ぎしりがすごいんですけど、ストレスでしょうか?」
    「歯がすり減って平らになってきているんですが大丈夫なんでしょうか?」

    といったご相談を受けることがあります。

    基本的に子供の歯ぎしりは心配する必要はありません

    理由は、成長する過程で
    無意識的に顎や咬み合わせをちょうどいい位置に調整しているからです。

    自然なことなので何もせずに様子をみることがほとんどです。

    しかし、顎に痛みが出たりカクカク音がしたり、
    歯がすり減って神経に影響を及ぼしている場合には
    治療が必要になる場合がありますので、一度ご相談ください。

    いかがだったでしょうか。
    歯ぎしりでお悩みのある方は気軽にご相談ください!

    ご予約は24時間受付のWEB予約をぜひご利用ください 😀

    〈参考文献〉・クラウンブリッジ補綴学 第5版 医歯薬出版株式会社 ・歯ぎしり – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020 (jda.or.jp)

  • お口の加齢変化について

    投稿者:clover

    こんにちは!
    歯科医師の市川です 😀

    今回はお口の加齢変化についてお話していこうと思います。

    歯の変化

    ①亀裂歯の表面を覆っているエナメル質は、硬くて脆いため亀裂が入りやすいです。

    ②知覚の低下歯の神経は象牙細管というストローのような管の中に入っています。
    加齢に伴い、その象牙細管が狭くなり、知覚が鈍くなります。

    ③根面う蝕歯茎がやせて歯の根っこが露出すると、
    根っこの表面に虫歯(根面う蝕)ができやすくなります。

    ④変色 歯の色は、歯の表面にあるエナメル質のすり減りや亀裂により透明度が減り、
    黄色や褐色に変化します。

    ⑤咬耗・摩耗
    咬耗とは、歯の噛み合う面がこすれて歯がすり減ることです。
    摩耗とは、歯ブラシなどの機械的な刺激によって歯がすり減ることです。

    ⑥くさび状欠損歯と歯茎の境目の歯質がえぐられた状態のことをいいます。
    長年の歯ブラシによる摩耗や歯ぎしりなどによって生じます。

    ⑦歯の喪失 歯の喪失の原因は主に歯周病、虫歯、破折(歯が割れること)などであり、
    65歳以上では歯周病が最も多いとされています。

     

    歯周組織

    歯周組織は歯を支える組織で、4つあります。

    ・セメント質

    ・歯根膜

    ・歯槽骨

    ・歯肉

    歯周組織 歯の断面 歯周組織の加齢変化

    歯周組織の加齢変化で共通することは、

    これらの組織に存在する様々な細胞の減少と形成能の低下があります。

     

    顎骨

    顎の骨は全身の骨と同様に、骨密度、骨量が加齢とともに減少します。
    顎骨の形態は歯の有無に大きく影響を受け、歯の喪失により骨が吸収します。
    そして、歯周病により歯槽骨(歯を支えている骨)は破壊され、
    入れ歯による慢性的な刺激は骨の吸収を促進します。

     

    顎関節

    顎の関節は以下の6つの組織から構成されており、
    歯の喪失や咬み合わせの変化による影響と生理的な形態変化が生じます。

    ・関節窩
    ・関節結節
    ・下顎頭
    ・関節靭帯
    ・関節包
    ・関節円板

    高齢になるとこれらの組織が形態的に変化し、
    顎の位置が不安定になったり、開閉口時に雑音などが生じたりします。

     

    口腔周囲

    筋神経系や感覚器系の加齢に伴う変化のために、
    筋の協調性が低下し、咀嚼(食べ物を飲み込めるようにかみ砕くこと)機能や
    嚥下(飲み込むこと)機能が低下します。

     

    唾液

    安静時に分泌される唾液の量は加齢により減少します。
    唾液分泌量の減少は口腔乾燥を招き、咀嚼、嚥下、構音(発音)などの機能が低下します。

     

    顔貌

     

    皮膚の老化、表情筋や皮下組織の委縮、皮下組織の支持力低下などの影響により、
    頬の皮膚や口角が下垂し、ほうれい線が明瞭になります。

    また、リップサポート(前歯によって上の唇を支持すること)と
    咬み合わせの喪失により、ほうれい線が深く際立ち、
    下あごが突出したようにみえてきます。

    これを老人様顔貌といいます。

    摂食嚥下機能

     

    摂食嚥下とは、
    食べ物を認識→口に運ぶ→噛む→飲み込む→胃へ運ぶまでの一連の流れのことを言います。

    その摂食嚥下機能の低下に影響する要因としては、
    ・味覚の低下
    ・歯の喪失や合わない入れ歯による咀嚼能力の低下
    ・唇、頬、舌などの機能低下・唾液の減少(口腔乾燥)
    ・飲み込む反射機能の低下
    ・服薬の副作用
    ・疾患

    などが挙げられます。

    いかがだったでしょうか。
    意外と知られていないことも多かったかと思います。

    特に摂食嚥下に関しては、悩まれている方が増えてきています。

    検査、トレーニング方法がありますので、また別の機会にお話していこうと思います。

     

    御相談など気になる事がございましたら是非御来院ください。
    24時間受付のWEB予約はこちらからどうぞ!!

    〈参考文献〉・老年歯科医学 医歯薬出版株式会社・摂食・嚥下リハビリテーション学 医歯薬出版株式会社