「健診」と「検診」
こんにちは!
歯科医師の市川です 😀
6月上旬に保育健診に行ってきました。
みんなとても良い子で可愛かったので癒されました!
健診では合計63人の子供たちのお口の中を見せてもらいました。
まだ歯が生えていない子、歯が抜けて大人の歯が生え始めている子がいたりとさまざまでした。
中には虫歯になってしまっている子もいました 😯
悪くならないうちに歯医者さんに診てもらい、早期発見・早期治療がとても大切になります。
そこで今回のブログでは、健診・検診についての重要性についてお話していこうと思います。
「けんしん」には「健診」と「検診」の2種類があります。
それぞれ字が違いますが、目的も異なります。
☆健診
・健診とは健康状態を確認するために行われます。
今回私が行った保育健診や学校健診がここに当てはまります。
日本では1歳6か月児、3歳児、小・中・高生の学校健診は義務化されていますが、
成人は義務化されていません。
(※ただし、酸などの化学物質を扱う職種は歯科健診が義務づけられています。)
最近ニュースで耳にしている方もいらっしゃると思いますが、
政府が2022年6月に「国民皆歯科健診制度」の導入を検討する方針を発表しました。
この制度は、年齢問わず全国民を対象に歯科健診を義務づけるというものです。
2025年導入を目標にしているそうです。
☆検診
特定の疾患の早期発見・早期治療を目的に行われます。
歯科医院での定期検診が当てはまります。
虫歯や歯周病の検査、歯磨き指導、クリーニングなどを行います。
お口の中の状況によって異なりますが、
基本的に3か月に1回のペースで受診するのが理想です。
2022年日本歯科医師会の調査によると、
15歳~79歳の男女1万人のうち
半数以上が歯科医院での定期受診をしていないという結果が出ているそうです。
また、日本は他国に比べ定期受診率が低く、
歯の健康に対する意識が低いという残念な結果が出ています。
健診と検診についてお話しましたが、共通することは、
どちらもお口の健康を守るために行われているということです。
☆健診・検診の重要性
皆さんはお口の健康と全身の健康が関係しているということはご存じでしょうか?
国民病で成人の8割がかかっている歯周病は、多くの全身疾患と関係しています。
また、虫歯や歯周病によって歯を失うとお口の機能が低下し、
楽しい食事や会話が満足にできないだけでなく、
要介護状態や認知症に陥ってしまいます。
これだけでもお口の健康がいかに重要かがわかるかと思います。
☆健診・検診のメリット
健診・検診を行うことで、以下のようなメリットがあります。
① 歯科疾患のみならず、全身疾患の予防につながる歯科の二大疾患は、虫歯と歯周病です。
先程の健診・検診の重要性の内容と重複してしまいますが、歯周病は
糖尿病、呼吸器疾患、動脈硬化、脳卒中、心臓病、リウマチ、早期出産・低体重児出産
などの全身疾患と関連があります。
また、歯の喪失は要介護状態や認知症に陥るリスクがあります。
② 医療費の削減につながるお口の健康を維持することにより、
全身の健康にもつながることから歯科だけでなく医科の費用の削減にもなります。
香川県歯科医師会による調査では、40歳以上を対象に、歯が0~4本の人は、
歯が20本以上ある人と比べ年間医療費が19万円高いという結果が出ています。
③ 健康寿命の延伸につながる健康寿命とは、
日常生活を制限されることなく健康に生活を送ることのできる期間のことをいいます。
愛知老年学的評価研究プロジェクトによる調査では、65歳以上の住民で、歯が19本以下の人は、
歯が20本以上ある人に比べ、1.2倍要介護状態になりやすいという結果がでています。
(※永久歯は上下左右の親知らず4本全て生えていれば、全部で32本になります。)よって、
残っている歯が多ければ多いほど健康寿命は長くなります。
いかがだったでしょうか。子供の頃から歯は大切なものであると認識していくことがとても大切だと思います。
自分の健康を守るため、また、子供たちの手本となるためにも歯科健診・検診を受けてみてください。
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